
アゼライン酸は、近年注目を集めているスキンケア成分の一つです。ニキビや赤ら顔、シミやくすみなど、さまざまな肌悩みにアプローチできるとされています。しかし、「どのくらい効果があるのか」「安全性は高いのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事では、アゼライン酸の特徴や肌への効果、使い方などを解説します。肌トラブルに悩んでいる方、アゼライン酸について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
アゼライン酸とは
アゼライン酸は、小麦やライ麦、オオムギなどの穀物や、酵母などの天然由来の成分に含まれる飽和ジカルボン酸の一種です。食品にも自然に含まれている成分であるため、安全性が高く、肌への負担が少ない点が特徴です。
もともとは欧米を中心に皮膚科領域で研究が進められ、ニキビや色素沈着の治療目的で使用されてきました。日本では医薬品としての承認はありませんが、海外では処方薬として利用されており、近年は低濃度のものが化粧品成分として配合されるケースも増えているのです。
アゼライン酸が肌にもたらす効果とは?

ここでは、アゼライン酸が肌にもたらす効果を4つの観点から紹介します。
ニキビの発生を抑える
アゼライン酸は、皮脂の過剰分泌を抑制し、毛穴の詰まりを防ぐことで、ニキビの発生を抑える効果が期待されています。角化異常を抑える働きもあり、古い角質が毛穴をふさぐのを防ぐため、白ニキビや黒ニキビにも効果的です。また、抗菌・抗炎症作用を持つため、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑え、炎症を伴う赤ニキビの悪化を防ぐ効果も期待できるでしょう。
美白効果が期待できる
アゼライン酸には、メラニンの生成を抑制する作用があり、シミやくすみを防ぐ美白効果が期待されています。特に、シミの原因となるチロシナーゼという酵素の活性を抑える作用により、肌の色素沈着を防ぎ、透明感のある肌へと導きます。また、炎症後色素沈着(ニキビ跡の色素沈着など)にも有効とされており、肌のトーンを均一に整える効果も期待できるでしょう。一般的な美白成分と異なり、刺激が少なく、敏感肌の方でも使用しやすい点がメリットです。
エイジングケアに役立つ
アゼライン酸は、抗酸化作用により肌の酸化ストレスを軽減し、老化の進行を遅らせる働きがあります。また、ターンオーバーを促進する効果もあるため、肌の生まれ変わりを正常化し、シワやたるみなどのエイジングサインにアプローチできるのです。さらに、肌のハリや弾力を維持する働きも期待されており、若々しい肌を保つためのサポート成分としても注目されています。
酒さの赤みを抑制する
アゼライン酸は、抗炎症作用によって血管の拡張を抑制し、赤ら顔やほてりを軽減する効果が期待されています。特に、赤みやブツブツを伴う「2型酒さ」に効果が高いとされ、欧米では酒さ治療の第一選択肢として処方されることもあるほどです。日本では医薬品としての承認はされていませんが、海外の臨床研究では、長期間の使用で酒さの症状が緩和されることが報告されています。刺激が少なく、敏感肌の方にも比較的使いやすい成分としても注目されています。
市販のアゼライン酸はある?
アゼライン酸は、ドラッグストアや化粧品店などで市販はされているのでしょうか。
化粧品に配合されているものならある
アゼライン酸は日本では医薬品としての承認を受けていませんが、低濃度のものは化粧品成分として使用が認められています。欧米では15〜20%の高濃度アゼライン酸が処方薬として扱われるのに対し、日本国内で市販されているものは5〜10%程度の低濃度のクリームが主流です。低濃度でも継続的に使用することで、皮脂抑制やくすみへのアプローチ、軽度のニキビ対策として一定の効果が期待できます。
市販されているアゼライン酸を選ぶ際のポイント
市販のアゼライン酸配合製品を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。まず、配合濃度を確認し、肌の状態に合ったものを選びましょう。濃度が高いほど効果は期待できますが、その分刺激を感じるリスクもあります。また、保湿成分や鎮静成分(ヒアルロン酸、セラミド、アラントインなど)が配合されている製品を選ぶと、乾燥や刺激を軽減しながら使用できるでしょう。さらに、肌への負担を抑えるために、アルコールや香料、着色料が無添加のものを選ぶのもポイントです。
アゼライン酸の副作用
アゼライン酸は比較的安全性の高い成分とされていますが、使用初期に軽い刺激や乾燥などの副作用を感じることがあります。特に、敏感肌の方は濃度が高いものを使用すると、赤みやかゆみが出る場合もあるため注意しましょう。アゼライン酸による症状は、使用を続けるうちに落ち着くことが多いですが、異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、皮膚科医に相談することが推奨されます。また、乾燥を防ぐために、日頃から十分な保湿ケアをおこなうことも大切です。
アゼライン酸の使い方

ここでは、アゼライン酸の具体的な使用方法を紹介します。
朝と夜の洗顔後に使用する
アゼライン酸配合のスキンケア製品は、朝と夜の洗顔後、化粧水で肌を整えた後に使用するのが基本です。化粧水で肌を適度に保湿し、肌のバリア機能をサポートしてから塗布すると、刺激を感じにくくなります。使用量は製品ごとの推奨量に従い、少量を手に取り、顔全体になじませるようにやさしく塗りましょう。特に、ニキビが気になる部分やくすみが目立つ箇所には、重点的に塗布することで効果が得やすくなります。
保湿と紫外線対策を徹底する
アゼライン酸を使用する際は、保湿と紫外線対策が重要なポイントです。使用初期には、ヒリヒリとした刺激や乾燥を感じることがありますが、十分な保湿をおこなうことで肌への負担を軽減できます。セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分を含む化粧水や乳液を併用すると、乾燥を防ぎながら快適に使用できます。また、紫外線に当たると肌が刺激を受けやすくなるため、日焼け止めを毎日使用して肌を守りましょう。
レチノールとの併用による相乗効果
アゼライン酸とレチノールを併用することで、ターンオーバー促進や毛穴の詰まり解消などの相乗効果が期待できます。レチノールは肌の再生を促し、コラーゲンの生成をサポートする働きがあるため、アゼライン酸と組み合わせることで、より高いエイジングケア効果が得られる可能性があります。
ただし、どちらの成分も刺激を伴うことがあるため、敏感肌の方は少量から使用し、肌の状態を見ながら頻度を調整することが大切です。併用する場合は、朝にアゼライン酸、夜にレチノールを使用する方法が一般的ですが、肌の反応に合わせて使い方を工夫すると良いでしょう。
アゼライン酸を取り入れるなら保湿と紫外線対策の徹底を
アゼライン酸は、皮脂の抑制・抗菌・抗炎症作用を持ち、ニキビ治療に役立つ成分として注目されています。メラニン生成を抑えることでシミやくすみを防ぎ、美白効果も期待できるでしょう。また、抗酸化作用によってエイジングケアにも効果を発揮し、肌のターンオーバーを正常化することで、ハリや弾力を維持する助けになります。敏感肌の方でも比較的使用しやすい点も魅力です。
市販の化粧品にも低濃度のアゼライン酸が配合された製品があり、日常的なスキンケアとして取り入れることができます。ただし、使用初期に軽い刺激を感じる場合があるため、十分な保湿と紫外線対策を徹底することが大切です。
※当該成分はドモホルンリンクルには配合されていません
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