紫外線から肌を守るために日焼け止めは欠かせません。しかし日焼け止めは肌に負担を与えることもあるため、使った後はクレンジングが必要です。紫外線と日焼け止めの仕組みを解説したうえでクレンジングがなぜ必要なのか、また正しいクレンジング方法について紹介します。
紫外線と日焼け止め
一般的に日焼けの原因となる紫外線とはどういうものなのでしょうか。また、紫外線の影響を避けるためにはどのように対策を立てると良いのでしょうか。
紫外線とは
紫外線は地上に届く太陽光の一部です。波長の違いでUVA、UVB、UVCの三種類ありますが、このうち地上に降り注ぐのはUVAとUVBです。目に見えない光ですが、紫外線は日焼けや色素沈着、シミ、シワなど人体に影響を与えるため、日頃から紫外線対策が必要となります。
日焼け止めの種類と役割
紫外線から肌を守るために、使われているアイテムが日焼け止めです。日焼け止めにもさまざまな種類があります。
- 紫外線から肌を守る成分の違い
- テクスチャーの違い
- 効果の強さ
などです。
紫外線から肌を守る成分としては、おもに「紫外線吸収剤」を使用したものか「紫外線散乱剤」が使用されているものかに分けられますが、最近は両方の成分を含んでいる日焼け止めもあります。
タイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
紫外線吸収剤 | 化学的な仕組みにより紫外線のエネルギーを吸収。 紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぐ力が強い。 |
汗で崩れにくい。 | 紫外線を吸収するときに熱エネルギーが生じ、敏感肌には刺激となる場合があるため注意が必要。 |
紫外線散乱剤 | 酸化チタンや酸化亜鉛など紫外線を跳ね返す成分が含まれている。 | 熱エネルギーは生じないため比較的肌に優しい。 | 汗などで流れやすい。 |
効果の強さによる種類の違いは「SPF」「PA」の数値で表されます。
「SPF」は、「Sun Protection Factor」の略で、シミの原因となるUVBを防ぐ指標です。防御の強さを10〜50、それ以上の強さが50+で表示、数値が大きいほど効果が高くなっています。
「PA」は、「Protection Grade of UVA」の略で、シワやたるみの原因となるUVAを防止する効果を表す指標です。+〜++++の4段階で表示され、+の数が多いほど防ぐ効果が高くなっています。
数値の高いものは肌への負担も強くなりますので、日常生活やスポーツなど、その日の目的に応じて適切なものを選びましょう。
また、日焼け止めはテクスチャーによってもさまざまなタイプに分けられます。
タイプ | 特徴 |
---|---|
クリームタイプ | 仕上がり感がしっとりしている。 肌への密着度が高いため他のタイプよりも崩れにくい。 肌なじみが良いので、ムラになりにくい。 |
ミルクタイプ | 肌なじみが良いため全身にも塗りやすい。 肌に優しいものが多く、敏感肌の方が使いやすい。 |
ローションタイプ シートタイプ |
水分が多く含まれているので、のびやすく塗りやすいのが特徴的。そのため男性や子どもにも使いやすい。 一般的に「SPF」や「PA」の値が低いものが多い。 他のタイプよりも落ちやすい。 |
ジェルタイプ | べたつきにくい。 無色透明なものが多く、白浮きしにくいのでメイクとの相性が良い。 |
スプレータイプ | 塗り直しが簡単なので、持ち歩いて日中使用するのに最適。 頭皮にも使いやすい。 |
日焼け止めを使ったらクレンジングが必要か?
日焼け止めは、メイクとは違うので、クレンジングは必要ないと思っている方が多いようです。実際、クレンジングは使ったほうが良いのでしょうか?
日焼け止めは肌に負担を与える?
紫外線をカットするために欠かせない日焼け止めの成分の中には、肌に負担をかけるものもあります。特に紫外線吸収剤を含むものは、肌に刺激を与えやすくなってしまいます。目的に応じた日焼け止めを選び、必要以上に効果の高すぎるものを使わないように気を付けましょう。
クレンジングの重要性
日焼け止めを使った後は、クレンジング剤を必ず使いましょう。落としきれなかった日焼け止めが毛穴にとどまり、ニキビや吹き出物の原因になることもあります。また、日焼け止めの成分が長く肌にとどまることで、肌に必要以上の刺激を与えてしまうこともあるため、日焼け止めは必ずクレンジング剤を使って洗い流してください。
日焼け止めのタイプに応じてクレンジング剤を選ぶ
日焼け止めのタイプによって、洗顔料だけで洗い流せるのか、クレンジング剤が必要になるのか条件が変わってきます。SPFやPAの数値の高いものやウォータープルーフタイプは、油分も多く肌への密着度が高いため、クレンジング剤を使う必要があるでしょう。
一方、SPF値やPA値が低い日焼け止めは、洗顔料やボディソープで落とせます。紫外線散乱剤(ノンケミカル)を使ったものの中には、お湯で落とせると表記されているものもあります。しかし、日焼け止めそのものはお湯で落とせるかもしれませんが、肌には皮脂や付着した汚れも残っていますので、クレンジング剤を使って汚れを落とすほうが、肌のためには良いでしょう。
日焼け止めの正しいクレンジング方法
使った日焼け止めがクレンジング不要と書かれていても肌に残った汚れを取り除くために、できるだけクレンジング剤を使うことをおすすめします。そこで正しいクレンジング方法を知っておきましょう。
日焼け止めの正しい落とし方
日焼け止めを落とす場合、SPF値やPA値の高い、UV効果の高い日焼け止めやウォータープルーフタイプは、洗浄力の高いクレンジングオイルを使って落としましょう。オイルは手のひらで温めてから、力を入れず手のひら全体で優しく大きくなじませ、小鼻や汚れが気になる部分は、中指や薬指を使ってそっと触れるようになじませます。
クレンジング後は速やかに保湿
日焼け止めは、低刺激のものであっても肌が乾燥しがちになります。クレンジングや洗顔をおこなった後は、肌が乾燥した状態になっているので、速やかに保湿するようにしましょう。
クレンジングのときにやってはいけないNG行為
汚れが気になるからといって決してゴシゴシこすって摩擦をおこさないように気を付けましょう。また、汚れをしっかり落としたいからといって、洗顔料やお湯でも落とせると表示されている日焼け止めを使ったときに洗浄力が強すぎるものを使うと、必要な皮脂まで落としてしまい、肌の乾燥など肌トラブルを招いてしまいます。
まとめ
日焼け止めを使ったときには、日焼け止めだけでなく一日の汚れを落とす意味でもクレンジング剤を使うほうが好ましいでしょう。ただし、汚れを落とすことに神経質になりすぎて必要な皮脂まで落としてしまったり、しっかり汚れを落としたいからと、力を入れてクレンジングや洗顔をしたりすることは逆効果です。また、日焼け止めは少なからずとも肌に刺激を与えているので、クレンジングや洗顔の後は、保湿を中心としたケアで肌をいたわるようにしましょう。
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