監修:再春館製薬所
伊藤安矢
大学院修了後、再春館製薬所に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、企画、研究に従事。研究開発員として一貫して年齢を重ねていく肌と向き合い続ける。最新の皮膚研究、肌老化研究を重ねながら、日々寄せられるお客様の声を商品に反映してきた。
肌は新陳代謝によって毎日新しく生まれ変わっています。肌の奥で生まれた細胞は、少しずつ表面に押し上げられていき、約4週間かけて一番上までたどり着くと、役目を終えてはがれ落ちます。
この一連の流れが、よく耳にする「肌のターンオーバー」です。
本来であれば一定の間隔で自然にはがれていく角質が、何らかの原因によってはがれずに残ることで積み重なって、厚みを増すことで肌がゴワついて見えてしまう。
これが「角質肥厚」と呼ばれる状態です。
角質肥厚の状態になると、ゴワつきが目立つようになります。
この状態を放置すると、さまざまな肌トラブルにつながる恐れがあるのです。
ここでは、以下の肌トラブルについて解説します。
ゴワゴワ肌の放置による肌トラブルの代表例は、「ニキビや湿疹」です。
肌のターンオーバーがうまくいかないと、毛穴の角質がどんどん積み重なって厚くなってしまいます。
そのまま放置していると、厚くなった角質によって毛穴がふさがってしまう状態に。毛穴がふさがって皮脂が詰まると、アクネ菌の繁殖により炎症がおきてしまいます。
そして、ニキビや湿疹ができてしまうのです。
ごわつく肌を放置すると、肌の赤みやかゆみにもつながります。
肌がゴワゴワしている状態は乾燥しているサイン。いつもよりも肌が敏感になっています。
普段は問題ない刺激などでも炎症がおこってしまうため、赤みやかゆみが出やすくなるのです。
ごわつく肌を放置すると、毛穴の目立ちにも影響が出てきてしまいます。
毛穴の周りに炎症がおこると、周辺が盛り上がるような状態になってしまい、より凹凸が激しくなり肌がゴワゴワしてしまいます。この凹凸によって、いつもよりも毛穴が目立つ状態になってしまうのです。
角質肥厚の原因は上記で紹介したターンオーバーの乱れ以外にもいくつかあります。
それでは、以下で角質肥厚の原因と対処法についてお伝えします。
角質肥厚の原因と対処法
乾燥した肌は、必要な水分を保つ力が弱まり、水分不足でカラカラの状態です。
肌はカサつき、硬くなり、はがれ落ちない角質が重なることで厚くなっていきます。
余分な角質が積み重なると、新しい肌がなかなか表面に出てこられず、ターンオーバーの周期は乱れ、さらに乾燥が進んでしまうことに。
肌の一番表面にある「角層」には本来、肌を外側の刺激から守る役割があります。
しかし、乾燥が進むと肌のバリア機能が正常に働かなくなってしまうため、肌は自らを守ろうとしてさらに角質を厚くしていきます。
そのため乾燥による角質肥厚対策として、肌を乾燥から守りうるおいを与えることが必要です。
乾燥を防ぐ方法については以下の記事も参考にしてください。
冷えも角質肥厚になる原因の一つです。
冷えによる血行不良で、肌の細胞に栄養が行き渡らないことにより、ターンオーバーの乱れにつながります。
冬の寒さだけでなく、夏の冷房によって体が冷えてしまうことでも、角質肥厚につながります。
冷えによる血行不良を防ぐためのポイント
日中の紫外線も角質肥厚を引きおこす原因となります。
肌が紫外線をキャッチすると、肌のバリア機能が働いて、内部に紫外線を通さないように守るために角質を厚くさせ始めるのです。
紫外線を防ぐためのポイント
栄養不足も角質肥厚になる原因です。
特に、体の新陳代謝と関係があるビタミンAやビタミンB類が不足することで、新しい細胞が生まれにくくなり、古い角質が肌の上に押し上げられずに、角質が厚くなります。
栄養不足を防ぐためのポイント
摩擦などによる肌への刺激も実は角質が厚くなる原因となります。
洗顔で必要以上に肌をゴシゴシと擦ることや、タオルで顔を拭く際に力を入れすぎることは、肌へのダメージにつながります。
刺激を受けた肌は、自らを守るために活性化するので角質肥厚につながるのです。
摩擦を防ぐためのポイント
洗顔はしっかりと泡を立てて、泡でそっと包むように洗いましょう。クレンジングは、擦らずメイクとゆっくりなじませるようにしましょう。使用量が少ないと摩擦がおきやすくなりますので、適量または少し多めに使ってください。
年齢を重ね、自己回復力が弱まっている大人の角質ケアには、日々のお手入れで角質肥厚を未然に防ぐのが理想的です。
そのポイントは、洗顔と肌本来の力を活かすスキンケアです。
一日の終わりには、必ず洗顔しましょう。
メイクや皮脂、ほこりなどの油性・水性両方の汚れとともに、不要な角質も洗い流すことが大切です。
無理に力を入れて擦るのはNG。しっかりと泡立てた洗顔料を肌の上で転がすように、優しく洗いましょう。
古くなった角質を取り除くことで、化粧品の浸透も高まります。
洗顔後の水気を取るときも優しくしましょう。
ゴシゴシ拭くのは禁物。
せっかく優しく洗顔しても、タオルの摩擦が肌にダメージを与えてしまう原因になります。
タオルを顔に優しく押し当てて水気を取るようにするのがポイントです。
また、タオルは肌に優しい素材の物を使うようにしましょう。
いきいきとした肌のためには、正しいケアを心がけて肌環境を整えることが大切です。
うるおい成分の生成が弱まっていたり、乾燥が進んでしまったりした肌には、肌のバリア機能をケアするための保湿が必要。
「保湿=水分」と考えがちですが、実はこのイメージは正しくありません。
もともと肌に備わっている天然保湿因子(NMF)などの保湿成分や、ターンオーバーをサポートする成分を肌に与えるのが正しい保湿です。
化粧水を選ぶときには、このような成分が入っているか確認すると良いでしょう。
また、スキンケアの最後には乳液やクリームで油分をきちんと与えることも大切です。
肌のごわつきが特に気になる場合は、シートマスクを使った集中ケアもおすすめです。
シートマスクを顔に貼り付けることで密閉状態になり、肌の水分量が上がります。
毎日おこなう必要はないので、「今日の肌は調子が良くないな」と感じたときにケアしましょう。
気になる箇所があれば、気になる場所に美容液を付けてからマスクしてください。
なお、シートマスクは、長く使うとかえって顔の表面の水分を奪ってしまいます。シートマスクのパッケージに書かれている推奨時間内で使うようにして、使い終わった後は、肌が乾燥する前にクリームでフタをしましょう。
角質肥厚を防ぐために、外出するときは紫外線対策をしましょう。
日焼け止めや日傘を使って、紫外線から肌を守ることが大切です。
日光が出ていない曇りの日も油断してはいけません。雲を通り抜けて紫外線が届いているので、晴れの日と同じような対策が必須です。夏だけでなく、冬も紫外線は降りそそいでいます。一年を通してしっかりと紫外線対策をおこないましょう。
帰宅後には防ぎきれなかった紫外線を浴びた肌へのケアとして、クレンジングと洗顔の後、化粧水や乳液などでしっかり保湿しましょう。
角質が溜まっていると感じたときのケア方法として、ピーリングを思い浮かべる方も多いでしょう。
ピーリングは自宅でできる商品も多く手軽ではありますが、30代・40代の年齢肌にとってはリスクがあることも、ぜひ知っていただきたいと思います。
ピーリングには肌表面の角質を溶かすものや、物理的に角質をはがすタイプがあります。
一見、不要な角質がきれいに落ちるように感じますが、はがれるべきではない角質まで落とすリスクがあるのです。
その結果、かえって角質を厚くしてしまうだけでなく、肌への刺激となってしまうことも…。
ピーリング後は、肌が刺激を受けたような状態になっているので、紫外線を浴びないように気を付けたり、ていねいに保湿をしたりするなど、いつも以上に肌を守るケアが必要なのです。
角質肥厚には、肌のターンオーバーのリズムを整えて、肌の生まれ変わりを促進することが大切です。
しかし、年齢とともに肌の生まれ変わりの周期は遅くなるため、角質肥厚などの肌トラブルは発生しやすくなります。
年齢を重ねた肌には、必要な成分や水分を与えるスキンケアで、肌そのもののうるおう力を活かすことが大切です。
そのためには、保湿効果の高い化粧品を利用しましょう。
■ドモホルンリンクルのスキンケアアイテム
監修:再春館製薬所
伊藤安矢
大学院修了後、再春館製薬所に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、企画、研究に従事。研究開発員として一貫して年齢を重ねていく肌と向き合い続ける。最新の皮膚研究、肌老化研究を重ねながら、日々寄せられるお客様の声を商品に反映してきた。
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