
治ってもまたくり返す肌荒れにうんざりしてしまう日々…。肌荒れの原因は、生活習慣の乱れやストレス、ホルモンバランスの乱れ、紫外線の影響などさまざまです。
ここでは繰り返す肌荒れのおもな症状や原因、改善を促す方法、注意点を紹介します。
肌荒れのおもな症状
肌荒れには多くの種類がありますが、ここでは5つの肌荒れの症状を紹介します。
- 乾燥・カサつき
- 赤み
- ニキビ・吹き出物
- 湿疹・かゆみ
- 毛穴の開き
乾燥・カサつき
乾燥による肌荒れは皮脂の不足や水分の蒸発によって引きおこされ、ごわつきやカサつき、粉吹きのような症状が現れます。肌の古い角質細胞が新しい角質細胞に入れ替わる「肌のターンオーバー」が乱れることで、乾燥や紫外線、摩擦などの外部刺激を護ってくれる肌のバリア機能が低下している状態です。
特に、秋から冬にかけて乾燥やカサつきが現れやすくなります。
赤み
肌の赤みはおもに頬や鼻、額に出てきやすく、ヒリヒリする状態です。なかにはかゆみが現れることもあります。肌のターンオーバーが乱れ、紫外線や摩擦などの外的刺激から護ってくれるバリア機能の低下が引きおこす症状です。
ニキビ・吹き出物
ニキビと吹き出物は、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と言われます。一般的にニキビは、皮脂が過剰に分泌される10代の頃にTゾーンにできやすいものを指し、吹き出物は20代以降の生活習慣の乱れや睡眠不足、肌の乾燥などの要因が合わさってできるもので、Uゾーンにできやすいとされています。
いずれも肌のターンオーバーがうまくいかなくなることによって引きおこされる症状です。
湿疹・かゆみ
湿疹は皮膚が赤くなり細かいぶつぶつや水ぶくれ、さらにかゆみがある症状です。花粉やハウスダスト、細菌などの外的要因と体調の変化や皮脂の分泌などの内的要因が複雑に絡み合っておこるとされています。
毛穴の開き
肌の表面に開いた毛穴が目立つ状態で、特に額や鼻、あご、頬の部分によく見られる症状です。「なんだか毛穴をメイクでは隠せなくなった」と感じている方は、肌荒れが原因かもしれません。皮脂の過剰分泌や毛穴汚れの蓄積、肌の乾燥、不規則な生活などの要因で引きおこされます。
顔の部分別の肌荒れ
肌荒れが比較的できやすい顔の部分にはさまざまな原因があります。
ここでは頬・おでこ・あごの部分について紹介します。
頬
頬はニキビや吹き出物ができたり、赤みができたりしやすいとお悩みの方が多いですが、その原因は「ホルモンバランスの乱れ」と「肝機能の低下」だとされています。
ホルモンバランスが乱れることで、皮脂分泌を促すホルモンが優位になり、ニキビや吹き出物ができやすくなります。また肝臓には、代謝機能や老廃物などの毒素を解毒する作用があります。肝機能が低下すると解毒機能が弱まり毒素が溜まり、ニキビや吹き出物として現れるのです。
おでこ
おでこは顔の中でも皮脂分泌が多く、皮脂が詰まりやすい部分です。皮脂が過剰に出ることで、毛穴が詰まってしまい肌荒れにつながってしまいます。
髪の毛が原因で、肌荒れになることも少なくありません。髪の毛はホコリや雑菌などが付着しやすく、おでこに触れることで毛穴に入り、肌荒れがおこることがあります。
あご
あごは、皮脂分泌が多い一方で汗を出す汗腺が少ない部分です。汗には肌のうるおいを保つ役割がありますが、汗腺が少ないので乾燥しやすく、その乾燥をカバーしようと皮脂が過剰に分泌されます。皮脂が多く分泌されることで毛穴を詰まらせてしまい、ニキビや吹き出物などの肌荒れがおこりやすくなるのです。
肌荒れの原因

肌荒れの原因は、外的要因だけではありません。内的要因でも、肌荒れを引きおこしてしまいます。
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- ホルモンバランス
- 紫外線
- 便秘などの腸内環境の悪化
- 間違ったスキンケア
生活習慣の乱れ
睡眠不足や過度なダイエット、甘いものやジャンクフードなどの偏った食生活、喫煙習慣は肌荒れがおこる原因です。
肌の回復は、おもに睡眠中におこなわれます。睡眠中は、「成長ホルモン」というダメージを受けた肌の回復を促すホルモンが分泌されますが、睡眠不足が続くと成長ホルモンはうまく働かなくなります。さらに寝る前にスマートフォンを見ることも睡眠の質が低下する原因に。結果として、睡眠不足を招いてしまい肌荒れとなるので注意が必要です。
ストレス
ストレスは、肌のターンオーバーを乱れさせる原因の一つです。ストレスを受けると免疫力が低下し、ターンオーバーが乱れ、肌のうるおいと肌のバリア機能が低下します。結果的に肌荒れを引きおこしてしまうのです。
ホルモンバランス
生理前はニキビや吹き出物、赤みがでるという悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
生理前の肌荒れは、女性ホルモンである黄体ホルモンと卵胞ホルモンの変化が大きく影響しています。黄体ホルモンは皮脂の分泌を促す役割があり、卵胞ホルモンは皮脂の分泌を抑える役割です。
生理前になると卵胞ホルモンの分泌が減少し、反対に皮脂分泌を促す黄体ホルモンが活発になり、皮脂分泌が多くなることで、肌荒れがおきると言われています。
この記事を読んでいる人におすすめの記事
紫外線
紫外線を浴び続けると肌の内部が隙間だらけになり、水分が逃げ出しやすくなり乾燥します。うるおいがなくなり乾燥した肌は、紫外線や花粉などの外部刺激を防ぐバリア機能が低下。結果、肌荒れがおこってしまうのです。
便秘などの腸内環境の悪化
便秘により腸内環境が悪化すると、腸内の悪玉菌が活発に働き、アンモニアなどの老廃物や有毒ガスが発生します。すると老廃物や有毒ガスが、腸の粘膜の毛細血管を通して全身に運ばれ、老廃物を外に排出しようとするのです。
肌荒れは最終的に、老廃物や有毒ガスが皮膚から皮脂や汗に紛れて排出されることが原因でおこるとされています。
間違ったスキンケア
肌荒れは、以下のような間違ったスキンケアが原因でおこるので注意が必要です。
- 肌の汚れをしっかり落とそうと強く擦ってクレンジング、洗顔をしている
- 皮脂が気になり何度も洗顔をしている
- 熱いお湯で洗い流している
- 強いシャワーを直接肌にあてて洗い流している
- タオルでゴシゴシと水分をふき取っている
肌に強い刺激を与えることで、肌荒れを引きおこしてしまいます。
肌荒れを繰り返さないための5つの改善方法

肌荒れを繰り返さないためには、体の内側と外側の両方からケアしてあげることが大切です。
ここでは肌荒れの改善を促す5つの方法を紹介します。
- 栄養バランスのとれた食事をする
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを解消する
- スキンケア方法を見直す
- 紫外線対策で肌荒れを防ぐ
栄養バランスのとれた食事をする
食事は私たちにとって欠かせないもので、体は普段の食事から作られています。栄養バランスのとれた食事をすることは肌荒れを改善する近道です。肌荒れを改善する食材として「抗酸化食材」というものがあります。抗酸化食材は、皮膚や粘膜などの働きを促してくれるとされています。
具体的には「ビタミンA・B群・C・E」や「ポリフェノール類」「カロテノイド」が抗酸化食材の栄養素です。
【抗酸化食材 ビタミンA・B群・C・E】
ビタミンは外部刺激である紫外線を受けた肌に対する光老化の軽減も期待できるとされています。
栄養素 | 多く含む食材 |
---|---|
ビタミンA (βカロテン) |
ニンジン、カボチャ、トマト、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、卵、チーズ、うなぎ、レバーなど |
ビタミンB2 | 納豆、卵、モロヘイヤなど |
ビタミンB6 | マグロ、カツオ、鶏肉、バナナなど |
ビタミンC | レモン、オレンジ、キウイフルーツなどの柑橘系のフルーツ、じゃがいも、さつまいもなどのイモ類、ピーマン、ブロッコリーなど |
ビタミンE | アボカド、かぼちゃ、ゴマやアーモンドなどの豆類 |
【抗酸化食材 ポリフェノール類】
ポリフェノール類にはいくつか栄養素があり、肌荒れに良い栄養素はアントシアニン、カテキン、カカオポリフェノール、ルチンなどです。
栄養素 | 多く含む食材 |
---|---|
アントシアニン | ブルーベリー、なす、カシス、ぶどう、赤ワインなど |
カテキン | 緑茶、紅茶など |
カカオポリフェノール | チョコレート、ココアなど |
ルチン | そば、たまねぎ、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類 |
【抗酸化食材 カロテノイド】
活性酸素の発生を抑え、肌や体の酸化(=老化)に対しても効果があるとされています。
多く含む食材 |
---|
緑黄色野菜、マンゴー、パパイヤ、柿、スイカ、とうもろこし、赤唐辛子、わかめ、こんぶ、ひじき、えび、かになど |
十分な睡眠をとる
質の良い十分な睡眠をとることは肌を健康に保つために欠かせません。健康的な肌へ回復させるためのターンオーバーを促しているのは、脳の下垂体から出る成長ホルモンで、寝ている間に最も分泌されると言われています。
成長ホルモンは、眠りに入ってから30〜60分で分泌するとされていますので、スムーズに入眠できるように工夫することが大切です。たとえば、眠るときの服装を締め付けの少ないものにする、寝る少し前はスマートフォンを触らない、照明を暗めに設定するなどが良いでしょう。
ストレスを解消する
ストレスを解消することで、血液の循環が良くなり肌の調子が整っていきます。
たとえば、以下のような方法があります。
- 読書をして心を落ち着かせる
- 好きな音楽を聴く
- 散歩をする
- ストレッチや筋トレ、ジョギングなど運動する
- 前からやってみたいと思ったことに挑戦してみる
- お風呂に入る
- ひたすら寝る など
ストレス解消方法は人によってさまざまですので、自分に合ったストレス解消方法を見つけてみてください。
スキンケア方法を見直す
一度自分がおこなっているスキンケア方法を見直してみると、すんなり肌荒れが改善していく可能性があります。
たとえば、洗顔時に「ちょっと強く擦りすぎてしまっているな」と感じる方は優しい力で洗顔を。「最近熱めのお湯で洗い流しているな」と感じる方は、ぬるめのお湯で洗い流してみましょう。
また、化粧水や乳液などを変えてみるという方法もあります。
ニキビが気になる方は「ノンコメドジェニック」「ハイポコメドジェニック」と表記されているものを使用してみてください。ノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックと表示されているものは、ニキビのもとを発生させない成分が含まれている商品です。ただし全ての方にニキビができないというわけではないので注意が必要です。
紫外線対策で肌荒れを防ぐ
日焼け止めはもちろん、帽子やサングラス、日傘などの紫外線対策をすることで、紫外線による乾燥から肌を護れます。肌の乾燥を防ぐことで肌のうるおいを保て、肌のバリア機能も護れるのでしっかりと紫外線対策をして肌荒れを改善していきましょう。
肌荒れが現れたときの注意点
肌荒れが現れたときにやってはいけないことがあります。
ここでは5つの注意点を紹介します。
- 洗顔やクレンジング時にゴシゴシと肌を擦る
- ピーリングなどの角質ケア
- 日焼け止めを使わない
- チョコやスナック菓子などの間食をする
- まくらカバーを洗わない
洗顔やクレンジング時にゴシゴシと肌を擦る
洗顔やクレンジング時に肌荒れが現れた状態でゴシゴシと擦ると、摩擦でより肌が傷んでしまいます。肌荒れがひどくなったり、シワやシミなどの原因にもなったりするので注意が必要です。
洗顔料で汚れを落とす際は、しっかりと泡を立てて肌に直接触れないように優しく落としましょう。汚れはゴシゴシ擦らなくても泡がスルスルと取り除いてくれます。クレンジングも同様に摩擦を少なくし、優しく汚れを落としましょう。
洗い流すときは35度前後のぬるま湯で、顔に水をかけるイメージで擦って洗い流さないようにすることが大切です。汚れが残っていると肌荒れの原因になりますのでしっかりと洗い流しましょう。
ピーリングなどの角質ケア
肌荒れが現れたときのピーリングなどの角質ケアは、赤みが続いてしまったり、痛みやかゆみが伴ったり、ひどく乾燥したりすることもあるので避けておきましょう。
頻繁にピーリングをおこなうと汚れはもちろん取れますが、汚れと一緒に角質も取れ多少なりともダメージを受けます。肌はダメージを補おうとしてターンオーバーを早め、未完成な角質細胞を生成します。肌のダメージを防いでくれる角質細胞ができないまま、角質ケアをおこなうと肌荒れが進行してしまうので、ピーリングには注意が必要です。
日焼け止めを使わない
肌荒れが現れたときでも、じゅくじゅくとひどい肌荒れ以外は日焼け止めを塗りましょう。日焼け止めの成分を意識して選ぶことが大切です。「吸収剤フリー」「ケミカルフリー」「ノンケミカル」「低刺激」と書いてあるものを試してみてください。
チョコやスナック菓子などの間食をする
普段の食事にプラスでチョコやスナック菓子を食べると、糖分や脂肪分を摂取しすぎてしまうので注意が必要です。皮脂の分泌が過剰になりニキビや毛穴の詰まりを招いてしまいます。
肌荒れを治す一歩として、一度チョコやスナック菓子を食べるのをやめてみましょう。もし間食をする場合には、肌を回復させてくれるナッツ類やドライフルーツなどを摂取してみてください。
まくらカバーを洗わない
人間は寝ているときでも汗をかくと言われており、まくらカバーに汗が吸収され、時間が経つと雑菌が増えます。雑菌がついたまくらカバーを洗わないで使用することで、雑菌+摩擦で肌荒れを引きおこす原因になるので注意が必要です。
肌荒れがなかなか治らない方は、まくらカバーを清潔にしてみることから始めてみましょう。まくらカバーを毎日変えるのが億劫な方は、まくらにタオルを1枚敷いてみても快適に睡眠がとれます。
まとめ
肌荒れには色々な症状があり、そして肌荒れの原因もさまざまです。食生活を改善してみたり、睡眠の質を考えてみたり、スキンケアを見直してみてください。あなたに合った方法を見つけて、うるおいのある美しい健康的な肌を手に入れましょう。
※コンテンツ内で扱っている商品情報は一部古い情報を含んでいる場合があります。