ドモホルンリンクルと …
Vol.9 自然・環境
column 1 漢方理念とアップサイクル
月・火・水・木・金・土・日──こうした宇宙を含む大自然の一部として存在する人間もまた、自然の一部。だからこそ、人を助ける答えもまた自然の中に存在する、という「天人合一(てんじんごういつ)」の思想は、再春館製薬所の製品設計の根幹を成しています。「自然の力なくしてドモホルンリンクルは存在しない」という自覚から、私たちは美しい自然の恵みに感謝し、その恩恵を自然に還元すること、無駄を抑えることなど、循環型社会の実現に努めることを自らの責務と考えます。
この考え方に基づく「自然界に無駄なものは何一つない」という漢方発想のもと、私たちは「もったいなかよ」という合言葉を大切にしてきました。この精神は、SDGsやサステナビリティといった言葉が生まれるずっと前から、再春館製薬所の根底に流れ続けてきたものですが、それらは単なる「エコ」を超えた、数々の“結果”を残しています。
高級干し柿の製造時に剥(む)かれる、千年以上も品種改良がされていない蜂屋柿(はちやがき)*1の皮や、本来は直径約20pにまで育つ世界最大級の熊本名産の柑橘・晩白柚(ばんぺいゆ)*2の早摘みの実など、独自原料には元々廃棄されていた素材から見出したものも少なくありません。リンゴの皮を剥くとすぐに変色することからも明らかなように、果物の皮には「実を護(まも)る強靭なエネルギー」が宿り、成長過程で間引かれる小さな実は並外れた潜在力を秘める──そんな自然の摂理に、毎回驚かされるばかりです。
column 2 使うことでの社会貢献
ドモホルンリンクルは、社会課題の解決につながる原料も積極的に採用しています。たとえば、少子高齢化が進んだ離島で自生するヤブツバキを活かした「唐津(からつ)ツバキ油*3」は、現地の産業振興や雇用の安定につながり、熊本県産「山鹿(やまが)有機シルクパウダー*4」は、農薬の影響を受けにくい標高600mの山上に広がる耕作放棄地を桑園に再生し、山鹿市の伝統シルク蚕業(さんぎょう)の復興にもつながったオーガニック原料です。また、昨今では地球規模での課題となっているパーム油の開発問題にも真摯に向き合い、「RSPO認証」を受けたパーム油*3を製品に使用することで、熱帯林の保全と多くの野生動物の命を守ることにつなげています。
最新の「クリーム20」に搭載された「ハリセンサー」技術のカギ、「パール柑*5」の皮から抽出したエキスも、農薬不使用に強いこだわりを持つ生産者グループから譲り受けた「規格外品」を用いた地産地消の原料。先日の「つむぎ4月号(会報誌)」でご紹介した通り、生産者「からたち」の方々は、かつて熊本県水俣地方で漁業に従事し、公害をきっかけに柑橘栽培へ転身した背景があります。思い入れのある実を余さず活用することは、環境への配慮や生産者支援にとどまらず、「見た目の悪さだけで廃棄せざるを得なかった実が、新たな価値を生み出せた」という生産者の喜びにもつながりました。私たちの製品をお使いいただくお客様との絆が誰かの幸せにつながり、その輪がやがて自然環境や地球全体にまで広がっていくこと。それこそが、私たちの飽くなき目標です。
column 3 自然と共生する本社
当社の理念「自然とつながり、人とつながる明日を」を体現するには、まず自分たちの実践から。東京ドーム6個分に相当する本社の約7割を占める緑地は、雨水を地下水として「使った以上の量の水を還す」役割を果たし、繁茂する木々は発生したCO2を吸収します。そんな多くの“循環”が絶えず生まれる「再春館ヒルトップ」では、年間使用量に相当する量(電力自給率100%)の太陽光パネルによる発電や、生ゴミを有機肥料として活用し、育てた野菜を再び食堂へ還すなど、多くの取り組みが行われています。一般的なゴミ収集車が一度も来たことがないことなども、その表れです。
[配合目的]*1)肌のキメを整える・肌を引きしめる *2)肌にうるおいを与える *3)保湿油分 *4)皮脂吸着・保湿・洗浄 *5)肌をすこやかに保つ・肌にハリを与える(表示名称:ブンタンエキス)