監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。
東洋医学には血液の滞りを示す「血滞(けったい)」という言葉があります。血滞が続くと老廃物が体から排出されず、血液はドロドロの状態に。健康的な体や肌を目指すなら、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡りやすくなるよう血滞を解消し、血流を良くする必要があるのです。
この記事では、血行不良になる原因、血流改善に役立つ習慣、血行が良くなる食べ物&飲み物をご紹介します。肩こりや冷え、肌トラブルにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
「血液がドロドロ」とは、一般的に血液中の脂肪分や糖分が増加している状態を言います。血液の粘度が高まり、血液の流れが悪くなるため、「ドロドロ」という表現がされるのです。肥満の方がなりやすいと思われがちですが、不規則な生活によっても引きおこされるため、痩せている方も成り得ます。
血液のドロドロ状態が長く続くと、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まります。そのため、自分の血液の状態を知り、早急に対処することが重要です。
血液がドロドロになるおもな原因として次の3つが挙げられます。
筋肉は血液の流れを助けるポンプの役割を果たします。そのため、運動不足によって筋力が低下すると、血液を押し出す力が弱まり、血行が滞ってしまうのです。また、脂質の多い食事も血液がドロドロになる原因の一つで、コレステロール値が高くなると動脈硬化を招くため、注意が必要です。
意外と見落としがちなのが、汗をかきづらい方の水分不足。汗をかきづらい方は、水分が失われていることに気づかず、水分補給が足りていない場合が多くあります。すると、知らず知らずのうちに体は脱水状態に。血液が濃くなることで、血流が悪化して血行不良を引きおこします。
血行不良のサインは顔や体調に表れやすいです。以下でご紹介するサインに当てはまるかチェックしてみましょう。当てはまった場合は、生活習慣を見直したり、積極的に体を動かしたりして、血の巡りを向上させていくことをおすすめします。
選択された数:0個
選択された数:0個
血液をサラサラにするには、食生活の改善が重要です。食生活が乱れると血液がドロドロになり、血行不良を招きます。運動習慣とあわせて、血液がサラサラになる食べ物や飲み物を摂取する機会を増やしてみましょう。
以下では、血行が良くなる食べ物&飲み物の一例をご紹介します。ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。
血液をサラサラにする食べ物には、血行を促進する栄養素が含まれています。漢方の観点も踏まえて、おすすめの食材をご紹介します。
野菜は、漢方の観点からも血液をサラサラに保つ食材として重要視されている食材です。「涼性」や「寒性」を兼ね備えたものが多く、体の余分な熱を取りつつ血流を改善する効果も期待されます。
なかでも緑黄色野菜はビタミンやミネラルが豊富で、抗酸化作用が高く、血管の老化や動脈硬化の防止に役立つためおすすめです。
果物は「甘味」や「酸味」を持つものが多く、血行を促進し、血管の老化防止に役立つ栄養素が豊富です。とくに、ビタミンCやEが多く含まれる柑橘類は「寒性」を持ち、体の余分な熱を取り除きながら抗酸化作用を発揮します。毎日の食事に取り入れることで、血管の弾力を保ち、老化を防ぐ効果が期待できます。
納豆は「甘味」と「温性」を持ち、体を温めて血流を促進する働きがある食べ物です。納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」には血栓を溶かしやすくする作用があり、血管の詰まりを改善して血液循環を助けます。
納豆は胃腸の働きを整えながら血流をスムーズにするため、冷え性や血行不良を改善する食材としても適しています。
きのこ類は「甘味」と「平性」を持ち、血液の流れを整えてくれる食材です。食物繊維が豊富で、血糖値を下げ、コレステロールの吸収を防ぐため、血液がサラサラになりやすくなります。
とくにシイタケに含まれるレンチオニンやグアニル酸には、血小板の凝固を抑える働きがあり、血液のスムーズな流れを保つ効果が期待されます。
海藻類は「鹹味(かんみ)」と「寒性」を持ち、体内の余分な熱を冷ましながら、血液をサラサラに保つ効果がある食材です。豊富に含まれるアルギン酸という食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、体外に排出する働きがあります。
また、食事時に海藻類を先に摂取することで血糖値の急激な上昇を抑えられるため、血液循環を改善する効果も期待できます。
青魚は「甘味」と「平性」を持ち、気を補いながら血行を促進する食材です。血管の弾力性を高めるDHAや、コレステロールや脂質の吸収を妨げるEPAが豊富に含まれています。
青魚の代表格であるサバやサンマなどを積極的に食べると良いでしょう。
おすすめレシピ動画
血液をサラサラにするには、日頃から飲む物も意識しましょう。緑茶やココアなどに含まれる成分は、血液をサラサラにする効果が期待できます。
緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれます。カテキンは、抗酸化作用があり、血管の老化を防ぐ効果があります。また、血中コレステロールを減少させ、血栓をつくりにくくするのです。毎日一杯、緑茶を飲んでみてください。
ココアにはカカオポリフェノールが含まれます。カカオポリフェノールは、抗酸化作用により血管をしなやかにする効果が期待できます。血圧を下げる効果もあるので、血流が促進され血液がサラサラになるのです。
気や血の巡りを良くするとされる赤ワインには、レスベラトロールというポリフェノールが含まれます。レスベラトロールには血管の弾力性を上げ、しなやかにする効果があります。また、抗酸化作用もあるため、血中コレステロールの酸化を防ぐのです。
ただし、あくまでもアルコールなので、飲みすぎると血管に負荷がかかり逆効果です。赤ワインを飲む際は、自分の体と相談しながら2杯以下に抑えておきましょう。
黒酢には、血管の健康を保つ効果があるクエン酸やアミノ酸が含まれます。血中に脂肪を溜まりにくくし、血小板が固まることを防ぎます。料理の調味料として使用したり、黒酢ドリンクを飲んだりしてみてください。
血液をサラサラにするには、水が必須です。水分不足になると、血中の水分も減少し、血液がドロドロになります。1日あたり2リットル程度を目安に、こまめな水分補給を意識しましょう。
クエン酸 | 酢、梅干し、柑橘類(レモンなど) |
---|---|
EPA | 青魚(サンマ、イワシ、サバなど) |
アルギン酸 | 海藻類(わかめ、昆布など) |
ビタミンC | フルーツ類(イチゴ、レモン、オレンジなど)、ピーマン、さつまいも、小松菜 |
ビタミンE | 野菜類(かぼちゃ、アスパラガス、春菊、ニラなど)、魚類(鮭、サバなど)、ナッツ類、キウイフルーツ |
ポリフェノール | 緑茶、ココア、赤ワイン、ぶどう |
血液をサラサラにするためには、ただ食生活を意識すれば良いというわけではありません。根本の考え方を理解することが重要です。日々の暮らしの中で意識したい点を解説しますので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
水分が不足すると血液の粘度が高まり、血液の流れが悪くなります。暑さ・寒さに関係なく、体は汗や排泄、呼吸によって日々水分を失います。そのため、こまめに水分を補給し、脱水状態を防ぐことが大切です。
十分に水分を含んだ血液は、酸素や栄養素を体の隅々にまで運びやすく、血行が良くなることで不要な老廃物の排出もスムーズになります。
血管を健康に保つためには、食習慣が大きな役割を果たします。糖質や脂質の多い食事は血液をドロドロにしやすく、血管に負担をかける原因になります。
食事では糖質や脂質を控え、抗酸化作用の多い緑黄色野菜や血管の新陳代謝に活用されるタンパク質が豊富な食材を積極的に摂りましょう。強くしなやかな血管を保つことができれば、動脈硬化や脳梗塞などのリスクを下げられます。
全身の血行を促すことも、血液をサラサラにするために重要な要素です。血行を良くするために、体を温めることを習慣にしましょう。入浴時には湯船にゆっくり10〜15分ほどつかることで、体が温まり、血液の巡りが改善されます。
また、デスクワークが多い方は、数十分おきに軽くストレッチをして血行を促しましょう。背筋や腕、足を伸ばしたり、体をひねるだけでも十分です。
血液をサラサラに保つには、筋肉のポンプ作用を活用することが大切です。とくに、ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれるほど重要で、全身に血液を送るポンプの役割を果たしています。運動不足が気になる方は、駅や会社などでエスカレーターやエレベーターを使わず、意識して階段を利用する習慣をつけてみましょう。階段を使うことでふくらはぎの筋肉が鍛えられ、自然に血行が促進されていきます。
足裏も血液を循環させる大切なポンプの役割を担っています。そのため、ハイヒールやきつく締めつける靴を履くと足に負担がかかり、血流が滞りやすくなります。足の疲れや冷え、むくみに悩んでいる方は、このような血管の圧迫が原因かもしれません。
できるだけスニーカーやサンダル、スリッパなどを履いて足の圧迫を減らし、血流をスムーズに保つことを心がけましょう。
ストレスは血流を悪化させる一因であるため、リラックスする習慣を持つことが大切です。おすすめは、38〜40度のぬるめのお湯で10〜15分ほどゆったり湯船につかること。ぬるめのお湯が副交感神経を優位にして、リラックス効果を高めます。お湯が熱すぎると交感神経が刺激され緊張状態になりやすいため、温度には注意しましょう。
また、軽い運動をすることもストレスの解消に役立ちます。背筋や腕、足を伸ばすだけでも血行が良くなり、体の緊張がほぐれてリフレッシュできます。リラックスを心がけて、ストレスによる血行不良を防ぎましょう。
この記事を読んでいる人におすすめの記事
生活習慣の乱れや運動不足は、血行不良の原因となり、さまざまな体調不良を引きおこしてしまう可能性があります。
血行不良によりドロドロになった血液は、生活習慣を見直すことで改善が可能です。たとえば、食事のリズムを一定に保つことで代謝のリズムが整い、血流も安定します。夜は無理のないストレッチで体をほぐし、リラックスを促すことで血行が良くなります。血液をサラサラにするために、食習慣を改善したり、乱れた生活習慣を整えたりしてみましょう。
■100年すこやか、そしてキレイを応援する「Lushiku(ラシク)」のアイテム
監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。
※コンテンツ内で扱っている商品情報は一部古い情報を含んでいる場合があります。