肌を老化させる「糖化」とは?原因や防ぐ方法を解説

肌を老化させる「糖化」とは?原因や防ぐ方法を解説

年齢を重ねると肌のくすみ、たるみやシワが目立つようになります。しかし、なかには年齢よりも若々しく見える方もいます。

若々しく見える肌に共通することは「肌の透明感」です。透明感がないと肌全体が暗く見えるため、シワの部分に影ができ、シワやたるみを助長させてしまいます。

若々しい肌を保つためには、肌老化がおきる原因を知り、適切なケアをおこなうことが大切です。

肌の老化を誘発する糖化とはどのような現象か、糖化の原因や肌老化を防ぐ方法、血糖値との関係などを解説します。

糖化とは

糖化とは、糖とたんぱく質・脂質が結合する反応のことです。食事で糖質を多く摂取すると血液中の糖濃度が高くなり、余分な糖が体内のたんぱく質や脂質と結合して変性することで、老化の原因となるAGEs(終末糖化産物)を生成します。AGEsが生成されることを、メイラード反応(糖化反応)とも呼びます。

体内でAGEsが大量に生成されると、肌の老化が進んで肌のハリや弾力を保つコラーゲンが失われてしまうのです。また、糖化反応で生成された老廃物は皮膚の細胞に沈着しやすく、シミやくすみの原因となります。

糖化 解説イラスト

肌がこげる?

血液中のエネルギーとして使われなかった余分な糖分は、体内のタンパク質と結合することで体に炎症を引きおこします。この現象は「肌(体)のこげ」とも呼ばれており、くすみやたるみ、シワ、シミなどの発生原因の一つです。

糖化チェックリスト
以下の項目に多く当てはまるほど、糖化のリスクが高まるので、食生活を見直す必要があるでしょう。

  • パンや麺類などの小麦由来の食品を好んでよく食べる
  • 食事ではお米から食べることが多い
  • お菓子やスイーツ、ジュースなどの甘いものが好き
  • 食事の後に眠くなることが多い
  • 仕事やプライベートでストレスを感じることが多い
  • 睡眠が6時間未満・寝つきが悪い・夜中に目が覚める
  • 運動習慣がない・運動不足気味
  • 野菜をあまり食べない・食べる量が少ない

「糖化」と「酸化」の違い

似た言葉である酸化(活性酸素による体のさび)についても解説。

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肌の糖化の原因とは

糖化の原因は、余分な糖分です。

糖分は人間の生命維持に必要不可欠なエネルギー源ですが、摂取しすぎて余った糖分は血液中に漂います。エネルギーになりきれなかった糖分は「タンパク質と結合する性質」を持っているため、体内でタンパク質に出会うと結合・変質し、AGEsを発生させてしまうのです。

タンパク質や脂質を糖化させる糖分には「ブドウ糖(グルコース)」と「果糖(フルクトース)」の2種類あります。

過剰に摂取したことで余ったブドウ糖は血液中に入り、全身の細胞に運ばれますが、その過程で糖化がおきると糖化タンパク質・AGEsが発生。一方で、果糖は体温と反応し、ブドウ糖の10倍以上の早さで糖化反応がおこります。

糖化をおこしやすい方の特徴

糖化につながりやすいおやつ

誰でも加齢とともにAGEsが溜まりますが、蓄積度には個人差があります。同じ年齢であっても、日頃の食事や生活習慣によって糖化しやすい方と、糖化しにくい方との差が生じるのです。以下のように、糖化しやすい生活を送っていないかチェックしましょう。

  1. 食後の血糖値が高い
  2. 甘いものやジュースが好き
  3. 早食い
  4. 若い頃と同じ食事量を摂っている

食後の血糖値が高い

AGEsが発生しやすいのは食後1時間です。血糖値は食後30分から1時間の間に上昇していき、その際に糖化がおこります。食後の血糖値が150や200を超える場合は、糖化の進行に注意しましょう。

甘いものやジュースが好き

甘いものやジュースには糖分が多く含まれています。少量であっても大量の糖質が一気に体内に入るので、余分な糖分とタンパク質が結びつきやすくなるので注意が必要です。甘いものやジュースを日常的に摂取している場合は、飲食する頻度を抑えましょう。

早食い

早食いをすると糖分が一気に腸まで運ばれるため、血糖値が上がりやすくなってしまいます。また、早食いの方は脳が満腹を感じる前までに食べすぎてしまうため、必要以上に食べてしまうドカ食いを引きおこす原因にも。食事はゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。

若い頃と同じ食事量を摂っている

仕事や運動しているからといって、若い頃と同じ食事量を摂っている方も要注意。若い頃は代謝能力が高くAGEsを排出できますが、年齢とともに代謝能力が低下していくことでAGEsが体内に蓄積されやすくなります。加齢による代謝能力の低下を加味して食事量を見直しましょう。

糖化によって引きおこされる問題や症状

頬の糖化に悩む女性

加齢とともに代謝能力が低下するため、年齢を重ねるごとにAGEsを排出しにくくなるのは仕方がないことではあります。しかし、過度に糖化が進むと体にさまざまな問題や症状を発生させる可能性があるので注意が必要です。

次は糖化によって引きおこされる、以下のような問題や症状について解説していきましょう。

  1. 肌のたるみやシワ
  2. 皮膚の色の変化
  3. 動脈硬化
  4. 組織の炎症

肌のたるみやシワ

肌内部には、コラーゲンとエラスチンの繊維が網目状に張り巡らされており、まるでスプリングのような弾力で肌を内部から支えています。つまり、コラーゲンとエラスチンによってたるみやシワが目立たない、ハリのある若々しい肌を保てるのです。

しかし、コラーゲンとエラスチンはタンパク質の一種のため、血中で糖化することでAGEsが繊維同士をくっつける架橋結合(かきょうけつごう)という現象がおこります。これにより繊維の伸縮性が失われ、肌のハリや弾力、みずみずしさがなくなり、たるみやシワができてしまうのです。

糖化タンパク質の解説イラスト

皮膚の色の変化

AGEsは褐色なので、皮膚の細胞に沈着すると肌が黄色っぽくくすんで見えることがあります。肌に透明感がなくなると血色が悪く見えてしまい、不健康な印象を与えてしまう可能性があります。事実、色差計で肌の色を調べると、AGEsが多い方ほど肌の赤みよりも黄色みが強いことが分かっています。

糖化によるタンパク質の褐色化説明画像

また、糖化タンパク質は分解されにくく、コラーゲンなどの寿命の長いタンパク質が糖化してしまうと、AGEsが長期間にわたって蓄積され、肌にダメージを与え続けてしまいます。表皮にAGEsが蓄積すると新陳代謝が低下し、ターンオーバーの周期が乱れることも。メラニンが体外に排出できないため、シミの原因にもつながります。

動脈硬化

糖化によって引きおこされる問題は肌トラブルだけではありません。血管の組織が糖化すると血管壁に炎症がおこりやすくなり、動脈硬化のリスクが高まります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞など別の病気を引きおこす可能性もあるため注意が必要です。

組織の炎症

糖化によって発生したAGEsは体内に蓄積されるだけでなく、RAGE(レージ)と呼ばれるAGEsの受容体と結合することで、炎症性サイトカインという物質を生み出します。炎症性サイトカインは炎症を引きおこす物質であり、これが増えることで炎症を引きおこしやすい状態になってしまうのです。

肌の糖化を防ぐ方法

糖化予防の飲み物を手にする女性

糖化反応はごく自然な反応です。体内に余分な糖分があり、それがタンパク質と出会ってしまうと必ずおきてしまいます。糖分の摂取を控えることはもちろん、すでにおきてしまった糖化による肌老化をできるだけ改善するためにも、さまざまなケアによって肌老化にアプローチしましょう。

次は肌の糖化を防ぐ、以下の方法について解説していきます。

  1. 急激な血糖値の上昇や高血糖を防ぐ
  2. 紫外線対策をおこなう
  3. 生活習慣を見直す
  4. 調理法を工夫する
  5. 栄養バランスを考えた食事をする
  6. 正しいスキンケアを心がける

急激な血糖値の上昇や高血糖を防ぐ

糖化タンパク質は、急激な血糖値の上昇や高血糖状態が続いたときに発生しやすくなります。それらを防ぐには、食事の際に以下のことに気をつけましょう。

  • 炭水化物や甘いものを控える
  • 野菜などを先に食べる(炭水化物の急激な吸収を防ぐ)
  • ゆっくり噛んで食べる
  • 間食やジュースなどを控える

このように糖化タンパク質を減らす食事に加え、食事の仕方にも気を付けることにより、健やかで若々しい体と肌を保てます。

紫外線対策をおこなう

紫外線は肌の大敵です。紫外線は肌の乾燥を助長させ、活性酸素を生成することで肌を酸化させてしまいます。肌の酸化はたるみやシミ、シワの発生原因になるため、外出時には日焼け止めや日傘などで紫外線対策が大切です。

また、紫外線は屋内にいても肌まで届きます。屋内でも日焼け止めを塗り、カーテンや紫外線防止フィルムなどを利用して窓から入ってくる紫外線をシャットアウトしましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の乱れは、肌にダメージを与えます。

肌は寝ているときにその日のダメージを回復するため、充分に睡眠を取り、疲れを次の日に残さないようにしましょう。

また、適度な運動も肌の健康に最適です。激しい運動は体への負担になるため、軽めの運動を取り入れてみましょう。通勤時に一駅分歩くなどでも良いです。

ストレスを解消する

ストレスを感じると、脳からコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは、過剰に分泌されると肌のターンオーバーの乱れを引きおこし、糖化が進行しやすくなる原因に。また、ストレスが溜まると交感神経が活発化し、血糖値を高める原因となるアドレナリンやグルカゴンなどのホルモンも分泌され、糖化が進行します。

糖化を防ぐには、リラックスしてストレスを解消することが大切です。たとえば、「朝日を浴びる」「自然の中で散歩する」「ヨガや瞑想をする」「ペットに癒される」など、ストレス解消につながる習慣を取り入れてみましょう。

お酒やタバコを控える

お酒を飲むことで生成されるアセトアルデヒドは、AGEsの元となる物質で、糖化を促進させます。お酒を頻繁に飲む習慣がある方は、AGEsが大量に作り出されているのです。
特に、お酒を飲むと顔が赤くなる方は、注意が必要です。

お酒を飲んで顔が赤くなる方は、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いため、体内にアセトアルデヒドが長く残りやすくなっています。そのため、AGEsの生成量が多くなり、糖化が進行しやすくなります。

また、タバコもAGEsの生成を促進する要因です。タバコを吸うと、AGEsの生成を促進する活性酸素が体内で増えます。少しでも肌の老化を防ぎたいのであれば、糖化を抑制するためにお酒やタバコは控えることをおすすめします。

調理法を工夫する

同じ食材でも調理法によってAGEsの発生を抑制したり、反対に増やしたりします。AGEsの発生を抑えるには「生」や「蒸す・ゆでる」「煮る」といった調理法を心がけましょう。「炒める」「揚げる」といった調理法は食材がこげやすく、AGEsが増えやすくなるので要注意です。

栄養バランスを考えた食事をする

栄養バランスを考えた食事を3食しっかり摂りましょう。

糖化を抑制するなら、急激に血糖値を上げない食品を選ぶことが大切です。

血糖値の上昇割合を数値化したものに「GI値」があります。GI値の数字が小さい食品は、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果が期待できるため、糖化が気になる方は積極的に取り入れてみましょう。

なお、主食・肉類・魚類・野菜類・果物類に該当する食品のGI値を表にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

低GI値(49以下) 中GI値(50~79) 高GI値(80以上)
主食 おかゆ(玄米)、パスタ(全粒粉) 胚芽精米、玄米、そば、おかゆ(精白米)、もち米、クロワッサン 食パン、フランスパン、精白米、もち、うどん
肉類 牛肉、豚肉、鶏肉、ソーセージ、ロースハム 牛肉(レバー)、焼き豚、ベーコン
魚介類 マグロ、カツオ、サバ、アジ、イワシ、しじみ、あさり ウニ、ちくわ、かまぼこ、さつま揚げ
野菜類 玉ねぎ、トマト、キャベツ、ピーマン、大根、ブロッコリー、小松菜、キュウリ、レタス、もやし カボチャ、山芋、トウモロコシ、里芋、さつまいも ジャガイモ、ニンジン
果物類 りんご、ミカン、桃、柿、イチゴ バナナ、パイナップル、スイカ イチゴジャム

※加工品も含む

正しいスキンケアを心がける

肌はデリケートなので、洗顔やクレンジング、スキンケアは強くこすらず、やさしくケアすることが大切です。洗顔するときは、たっぷりの泡で優しく包み込むように洗いましょう。

また、加齢による糖化を意識したスキンケアを取り入れるのもおすすめです。乾燥しているとうるおい成分が失われ、肌に良い化粧品を使用しても血流が滞っていては、美容成分や酸素が肌の隅々まで行き届きません。

真皮層がガタガタになり、ハリやうるおいが失われてしまった肌には、保湿と血流アップを意識したケアが効果的です。

糖化を予防・改善して若々しい肌を保とう

肌の糖化は、糖分を摂取している以上、避けられない現象です。しかし、摂取する糖分の量を制限し、日ごろからケアをおこなうことで糖化によってダメージを受けた肌を回復させられます。

肌のみずみずしさや透明感は、見た目年齢を大きく左右します。肌老化を食い止め、年齢に見合った美しく輝く肌を維持できるように、肌の糖化を意識した対策を実践してみましょう。

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