肌の弾力性やハリが失われると、皮膚が下がり「たるみ」につながってしまいます。頬や口元、あご下、デコルテなどにたるみがあると、実年齢よりも老けた印象になるため、早めの対策が大切です。
この記事では、たるみの概要や原因、たるみ改善の3つのポイントをご紹介します。合わせて、顔や頬・顎のたるみに効果が期待できる運動についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
顔のたるみ・頬のたるみ・顎のたるみとは
紫外線によるダメージや、加齢によるコラーゲンなどの減少・変質がおきると、皮膚の弾力が失われてしまいます。また、顔の筋肉が減少することでも肌の弾力やハリがなくなり、それが「たるみ」につながってしまうのです。たるみによって、ほうれい線ができたり、目元が暗く見えたりするなど、見た目の印象に影響します。顔のたるみが気になり始めたら、原因と対策を考えましょう。
年代別たるみの特徴
年代によってたるみの特徴は変わってきます。30〜60代では、どの年代にどのようなたるみがおきやすいのかをまとめました。
年代 | たるみの特徴 |
---|---|
30代 | 骨や筋肉が衰え顔の脂肪を支えられなくなり、顔の脂肪が下に落ちていく |
40代 | 30代よりも顕著に骨や筋力が衰える コラーゲンの減少に伴い、肌のハリが弱まってくる ほうれい線のシワが気になり始める |
50代 | 口周りのたるみが顕著となり、フェイスラインが下がってくる (ブルドッグラインやマリオネットライン) |
60代 | フェイスラインに加えて、首のたるみも目立ち始める |
顔・頬のたるみの原因
顔・頬のたるみの原因には、大きく分けて「コラーゲンの衰え・減少」「筋力の低下」「むくみと脂肪の増加」の3つがあげられます。
年齢を重ねるとコラーゲン繊維は、弾力が失われてしまうのです。
- 乾燥
- 紫外線
- 筋力の低下
- むくみと
脂肪の増加
\ 原因1 /乾燥
肌の弾力やハリを支えているのは、真皮層にあるコラーゲンです。肌が乾燥してバリア機能が低下したり、加齢でターンオーバーが乱れたりすることで、コラーゲンを産生する力の衰えや、量の減少、質の劣化がおこり、表皮を支えきれず「たるみ」が生じてしまいます。
乾燥を防ぐには、表皮にうるおいを与え、真皮層の水分が肌から失われないように保湿することが重要です。
\ 原因2 /紫外線
紫外線を浴びると、肌の表面が軽いやけどを負った日焼け状態になります。さらに、紫外線の影響が肌の奥の真皮層にまで到達し、肌のハリを保つためのコラーゲンを破壊してしまうのです。そのため、肌が硬くこわばり、弾力が失われてしまいます。その結果、たるみが生じてしまうのです。このような紫外線による肌への影響は「光老化」と呼ばれています。
\ 原因3 /筋力の低下
加齢によって体の筋肉が衰えてしまうように、顔の表情筋も使わないままだと徐々に衰え、さらに重力により「たるみ」を生む原因となります。
顔の表情筋は真皮層の奥でつながっており、実に40種類以上もあると言われています。しかし、たくさんある表情筋のうち使われているのは30%程度。残りの70%は日常的に動かしていないと言われています。
筋肉のなかでも表情筋は鍛えるのがむずかしい部位です。意識して動かさないと衰えるので、表情筋を鍛えるフェイスストレッチ※1をおすすめします。フェイスストレッチにより、筋力低下を防止できれば、たるみだけでなく、ほかの肌トラブルの抑制も期待できます。
※1:表情筋を鍛える顔のストレッチのこと。
\ 原因4 /むくみと脂肪の増加
血流やリンパの流れが滞ってしまうとむくみが生じます。むくみは真皮層の組織の機能低下を招くため、「たるみ」を助長する原因となるのです。
また、たるみは脂肪が多いところから生じると言われています。たとえば、急激に太ると顔の皮下脂肪が増えるので皮膚や筋肉を支える力が低下し、たるみの発生につながります。
むくみや脂肪の増加を防ぐためにも、塩分の摂りすぎや暴飲暴食は控えるようにしましょう。合わせて、運動や顔の体操をして、老廃物が排出されやすく太りにくい体を作ることも大切です。
参考:顔のむくみの原因は?即効性のある解消法や予防のポイントを解説
顎のたるみ(二重あご)の原因
顎のたるみの原因には、おもに「姿勢が悪い」「顎の筋力低下」といった理由が考えられます。
- 姿勢が悪い
- 顎の
筋力低下
\ 原因1 /姿勢が悪い
姿勢が悪いと血流が乱れ、老廃物が蓄積しやすくなります。
背中を丸めた前かがみの姿勢は、顔も下向きになりやすいため、頬やあご周りに老廃物や水分が溜まり、顔のたるみが生じるのです。
また「巻き肩」のクセが付いてしまうと、首太り、バストの下垂、首や肩のコリなどが影響して二重あごになってしまいます。
「巻き肩」がクセになる前に、定期的に肩を回したり肩甲骨を動かしたりすることで、二重あごの予防をしましょう。
\ 原因2 /顎の筋力低下
食事のときにあまり噛まない方は、噛む回数が減ることで顎を動かす動作も減り、顎の筋肉が衰え、二重あごになってしまいます。たとえば、柔らかいものばかり食べていると、あまり噛まなくても飲み込めるので、噛む回数が減るのです。
また、老化による表情筋や首まわりの筋力低下も二重あごの原因と考えられるでしょう。表情筋が衰えることによって皮下脂肪が支えきれず、顔の下方に落ちてきてしまいます。さらに首まわりの皮膚がハリや柔軟性を失うと、それらを支える筋力も衰え、二重あごにつながってしまうのです。
ほかにも、歯のかみ合わせの悪さや骨格のゆがみが原因の歯ぎしりや食いしばりで、頬やエラの筋肉がこわばり、顎や舌の筋力低下を招いた結果、二重あごになると考えられています。
硬いものを食べる機会を増やし、噛む回数も増やしましょう。
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顔のたるみを改善する3つのケアポイント
たるみを改善するためには、以下の3つに留意することが大切です。
- 姿勢を良くする
スマートフォンを
見すぎない - 肌の老化と
乾燥を防ぐ - 表情筋を
鍛える
\ ポイント1 /姿勢を良くする・スマートフォンを見すぎない
顔の下半分は重力によって皮膚が下がりやすい特徴があります。猫背だと顔が下向きになるので、より皮膚が下に引っ張られて口角が下がりやすくなります。同様に、下を向いてスマートフォンやタブレットを見る姿勢も口角が下がる原因になるため注意が必要です。
皮膚が下がることで、鼻の下や頬、あごにたるみが生じたり、ほうれい線やマリオネットライン※2が刻まれたりと、老けた印象を与えます。猫背になったり、うつむいたりしないよう、日ごろから正しい姿勢を意識することが大切です。
※2:腹話術の人形(マリオネット)のように、口の両端からあごまで走る縦ジワ。頬の皮膚や筋膜がたるむことで生じることが多い。
\ ポイント2 /肌の老化と乾燥を防ぐ
肌の弾力・ハリは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの繊維がピンっと張っており、かつ水分が十分にあることで保たれています。しかし、コラーゲンやエラスチンが加齢や乾燥によって減少すると、顔のたるみにつながるのです。
皮膚の老化や乾燥を引きおこす原因の一つに「紫外線」があげられます。紫外線は皮膚の奥まで達し、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンを産生する線維芽細胞を傷つけるのです。また、紫外線によって発生した活性酸素はコラーゲン繊維を硬くします。そのため、皮膚の弾力やハリは失われてしまいます。
紫外線対策や保湿を徹底し、できるだけ肌の水分を保つように心がけましょう。
\ ポイント3 /表情筋を鍛える
表情筋の衰えによるたるみは、加齢だけが原因ではありません。日常的な表情のクセによってたるみが発生することもあるのです。
たとえば、眉間にシワを寄せるクセがあると、眉の上にある「皺眉筋(しゅうびきん)」や目の周りにある「眼輪筋(がんりんきん)」に力が入っています。常に筋肉が緊張している状態なので、筋繊維が肥大し、筋肉が大きくなります。盛り上がった筋肉に皮膚が引っ張られるので、額やまぶたの皮膚は下がり、たるみが生じるのです。
ほかにも、頬やあごの周りの筋肉は口の動かし方や笑い方、歯並びの影響を受けやすいです。食いしばりや歯ぎしり、ストレスによる筋肉の緊張によっても、皮膚のたるみが発生します。
表情筋は一つの大きな筋肉ではなく、小さな筋肉の集合体です。そのため、筋肉を全体的に鍛える効果がある、フェイスストレッチに取り組むことが重要です。
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顔のたるみに一番効果的な運動は?
顔のたるみに一番効果的な運動は、顔のどの部分がたるんでいるかによって異なります。自分が気になる顔のたるみに合った運動を実践して、顔のたるみを改善しましょう。ここでは、顔のパーツごとにおすすめの運動をご紹介します。
- 顔のたるみを改善
- フェイスラインのたるみを改善
- ほうれい線の改善
- マリオネットラインの改善
- 涙袋のたるみを改善
- 首のたるみを改善
- 顎のたるみを改善
顔のたるみを改善
顔のたるみに一番効果がある、「あいうえお」と口を動かし発生する運動をご紹介します。
- 口を大きく動かし、少し上を向いた状態で「あ」と発声します。
- 口を横に引き、口角を少し上げて「い」と発声します。
- 口を前に突き出し、頬をすぼめながら「う」と発声します。
- 口を大きく開け、唇を内側に巻き込むように「え」と発声します。
- 口を前に突き出した状態で「お」と発声します。
このストレッチでは、口を大きく動かし、それぞれ顔の筋肉に力を入れた状態で5秒間キープしましょう。1〜5を、5回程度ゆっくり繰り返してください。
フェイスラインのたるみ改善
フェイスラインのたるみに効果的な運動をご紹介します。
- 顔をゆっくりと上に向けて、天井と水平になるところで止めます。
- 下唇を天井に向かって突き出し、さらに上唇も突き出したところで5秒間キープします。
フェイスラインは皮下脂肪が厚く、顔のなかでも最もたるみが発生しやすい部分です。この運動を取り入れることで、フェイスラインのたるみを改善する効果が期待できます。
また、フェイスラインに余分な脂肪が蓄積されないように、バランスの良い食生活も意識しましょう。髪を引っ張るようなヘアスタイルもフェイスラインのたるみを生む原因となるので注意してください。
ほうれい線の改善
ほうれい線の改善には、表情筋をほぐす運動が効果的です。
- 頬骨の下に中指と薬指を入れて、5秒間押します。
- 上方向に小さく円を描きながら、ほぐすように5回ほどマッサージをします。
- 耳の後ろに指を滑らせて5秒間押し、さらに5回くるくるとマッサージをします。
頬杖をついたり、表情をあまり変えないでいたりすると、ほうれい線ができやすくなります。頬杖は無意識にクセがついていることも多いため、できるだけ意識して直しましょう。表情があまり変わらないという方は、鏡の前で表情筋を動かすのがおすすめです。
また、「への字口」も頬や口もとをたるませる原因となるため、クセになっている方は意識して直すように心がけましょう。
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マリオネットラインの改善
マリオネットラインを改善するには、口周りの筋肉を鍛えるのがおすすめです。
- 目と口を閉じたまま唇を前に突き出し、キュッとすぼめて3秒呼吸します。
- 目を開けて、口をすぼめたまま、頬をぷーっと膨らませます。これを5回ほどおこないましょう。
マリオネットラインは口の周りの筋力が低下するとできやすくなるので、「よく噛んで食べる」のを意識しましょう。固めの食材や弾力のある食材を食べて、噛む回数を増やすのもおすすめです。左右バランス良く噛むよう意識することも忘れないようにしましょう。
涙袋のたるみを改善
涙袋のたるみには、まぶたを動かすストレッチが効果的です。
- 5つカウントしながら上まぶたをゆっくりと下ろし、下まぶたにつくギリギリの状態でキープします。
- そのままの状態から5つカウントし、眉をゆっくり引き上げて5秒間キープします。
- 眉とまぶたの間を伸ばし、ゆっくりとまぶたを開けます。
涙袋の周辺は皮膚が薄く、乾燥しやすいため少しの刺激でもダメージにつながります。目をこすったり、テレビやパソコンなどを長時間見続けたりするのもたるみの原因です。適度に目を休めることが大切です。
首のたるみを改善
首のたるみに効果的な運動を2つご紹介します。
首のたるみに効果的な運動1
- 首を固定し、ゆっくりとあごを突き出して上を向きます。
- そのまま唇を突き出し、呼吸を整えましょう。
- 首が気持ち良く伸びているのを感じたら、2〜3回呼吸し、もとの位置に首を戻します。
上記を3セットおこないましょう。血行が良くなるので、首のたるみが改善するだけでなく、肌の調子も整いやすくなります。
首のたるみに効果的な運動2
- 肩甲骨を寄せるイメージをしながら、姿勢を正します。
- 鏡を見て、鎖骨の真ん中とあごを結ぶラインが、三角形になるように顔をおこします。
- 三角形を崩さないように意識して、姿勢をキープしましょう。
姿勢を保てず三角形が崩れると、首にたるみやシワができやすくなります。きちんとした三角形ができるよう姿勢を正し、常に自然な体勢をキープできるよう心がけましょう。
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顎のたるみを改善
顎のたるみには、フェイスラインマッサージとリンパマッサージが効果的です。
フェイスラインマッサージ
シャープな輪郭を作るためには、フェイスラインマッサージがおすすめです。自分の指の関節を使って簡単にできます。
- 人差し指と中指を折り曲げる
- 両手であごを挟んで引き上げていく
- 耳まで引き上げたら、そのまま耳をぐるぐるとマッサージする
リンパマッサージ
リンパマッサージは、二重あごや首のシワの改善に効果的です。
- 首全体にクリームを塗り、顎下から耳下までのフェイスラインを引き上げる
- 耳下まで流したリンパを、首の側面を通し、鎖骨のくぼみへと流す
風呂上がりや就寝前など、リラックスしている時間にマッサージするのがおすすめです。
顎のたるみは、スマートフォンを見たり読書をしたりするなど、下を向く習慣が原因となります。マッサージを取り入れて、顎のたるみを解消しましょう。
見た目年齢を上げないためにも顔のたるみを解消しよう
加齢や肌の乾燥、紫外線、顔の筋力低下など、顔のたるみはさまざまな原因があります。顔のたるみは見た目年齢に影響があるので、たるみの原因を特定し、早めに対策しましょう。顔のたるみに効果的な運動も取り入れてみるのもおすすめです。
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