ふと鏡を見たときについつい気になってしまう「しわ」と「たるみ」。
そうした悩みが深くなると、美容医療のような即効性のある対策も選択肢の一つとして気になるかもしれません。
しかし、しわ・たるみは単なる表面的な問題ではなく、肌の土台の力が弱まっているサインです。
だからこそ、その場しのぎではない肌本来の力を育む『日常ケア』を見直すことが、遠回りのようで一番の近道になります。
この記事では、しわ・たるみの根本原因と、今日からできる対策を詳しく解説します。
しわ・たるみとは
「しわ」「たるみ」があると老けて見えてしまいがちです。どうして「しわ」や「たるみ」がおこるのでしょうか。
しわ・たるみのメカニズム
しわやたるみは、加齢による皮膚内部の皮下脂肪、筋肉、骨格などの影響を受けてできるものと考えられています。
顔の骨は、顔の土台として筋肉や皮下脂肪、真皮、表皮を支えていますが、加齢によって骨が小さくなって十分に支えられなくなると、表面の皮膚が垂れさがってしまうのです。さらに、加齢の影響で、皮下脂肪も減少し、下へ移動してたるんでいきます。
また、加齢により肌のハリと弾力を保つコラーゲンやエラスチンが減少してしまいます。それによって、肌のハリがなくなっていき、しわやたるみにつながってしまうのです。さらに、外的要因が加わることでたるみやしわを助長させていきます。
しわ・たるみの種類
しわやたるみには種類があり、それぞれ特徴が異なります。
しわは、おもに乾燥小じわ・表情じわ・たるみしわ(真皮じわ)に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
| しわの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 乾燥小じわ(ちりめんじわ) | 肌表面に細かくできるしわ 加齢による肌の弾力や水分保持力の低下がおもな原因 乾燥、紫外線、ストレスなども原因になることがある |
| 表情じわ | 表情筋の収縮によってできるしわ 眉間、目尻、口もとによく現れる 日常的な表情や感情表現によってしわとして定着する |
| たるみしわ(真皮じわ) | 皮膚の弾力低下によって生じたたるみが原因でできるしわ 顔や首、目の下などによく見られる 加齢が原因で皮膚のコラーゲンやエラスチンなどが減少しておこる |
たるみは、皮膚のたるみと筋肉・脂肪のたるみに分けられます。
| たるみの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 皮膚のたるみ | フェイスラインや顔の表面全体が下方に下がっていく 肌の水分量が減少することで肌の弾力性が低下する おもな原因は加齢で、そのほかには紫外線、喫煙、過剰なアルコール摂取、ストレスなど |
| 筋肉・脂肪のたるみ | 筋肉が衰え、脂肪を支えきれなくなる 加齢、運動不足、栄養の偏りのほか、喫煙、過剰なアルコール摂取、ストレスなどが原因になることがある |
しわ・たるみができる外部要因
外的要因は、日々の『日常ケア』によって防ぐことができるダメージです。
乾燥
肌が乾燥することで、肌の表面の水分が失われ細かい「しわ」が現れます。乾燥によるしわの初期段階は小じわ(ちりめんじわ)から始まりますが、細かいしわだからとそのままにしておくと、さらにしわが深くなったりたるみにつながったりしてしまうので注意が必要です。
紫外線
紫外線の影響というと、シミをまず思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、紫外線はしわの原因にもなっているのです。紫外線は肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンなどにダメージを与えてしまいます。結果、皮膚が厚くなったりごわつきがでたりして、しわやたるみにつながっていくのです。
しわ・たるみができる内部要因
年齢を重ねるにつれて、肌の土台そのものが変化していくことも、しわ・たるみの根本的な原因となります。
コラーゲン・エラスチンの減少
肌のハリを支えるマットレスのような役割を果たすコラーゲンや、それを束ねるバネのようなエラスチンは、年齢とともに質が低下し、量も減少していきます。
これにより肌の弾力が失われ、一度できたしわが元に戻りにくくなったり、肌全体が重力に負けて垂れ下がったりします。
筋肉の変化
肌を支えているのは真皮だけでなく、その下にある表情筋も重要です。
加齢や無表情の習慣によって表情筋が衰えると、その上にある皮膚や脂肪を支えきれなくなり、「たるみ」として現れます。
酸化
体内で発生する活性酸素により、体がサビるように「酸化」することも原因の一つです。酸化はコラーゲンを硬く変性させ、肌の弾力を奪ってしまいます。
紫外線やストレス、喫煙などは、この酸化を促進させる要因となります。
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糖化
食事などで摂取した余分な糖が、体内のタンパク質(コラーゲンなど)と結びつくことを「糖化」と呼びます。これは「肌のコゲ」とも例えられ、AGEs(糖化最終産物)という老化物質を生み出します。AGEsが蓄積すると、コラーゲンが硬くもろくなり、肌は弾力を失ってごわつきます。また、黄ぐすみの原因にもなります。
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血行不良
見落とされがちですが、非常に重要なのが「血行」です。肌も体の一部であり、血液によって栄養素が運ばれ、老廃物が回収されています。
冷えや運動不足、ストレスなどで血行不良になると、肌の隅々にまで十分な栄養が届かず、老廃物も溜まりがちになります。その結果、肌の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れ、肌体力が低下し、しわやたるみができやすい状態になってしまうのです。
しわ・たるみの改善・予防方法はあるの?
しわとたるみは、どのように改善したり予防したりすれば良いのでしょうか。対策方法をまとめました。
保湿ケア
肌が乾燥すると、表面の柔軟性が失われて硬くなり、細かな「ちりめんじわ」ができやすくなります。これが定着すると、深いしわへと進行してしまいます。
毎日のスキンケアで、肌に十分な水分と油分を与え、バリア機能を健やかに保つことが重要です。
紫外線対策
紫外線(特にUV-A)は、肌の奥深く(真皮)まで到達し、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンを破壊してしまいます。これは「光老化」と呼ばれ、しわ・たるみの最大の原因とも言われます。
日焼け止めは夏だけでなく一年中使用し、曇りの日や室内でも窓から入る紫外線を防ぐ意識を持ちましょう。
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表情筋を鍛える
表情筋は、意識しないと十分に使えていないのが現状です。しかし、体のほかの筋肉と同じように、使うことで鍛えられます。
時間があるときには、口を閉じた状態から「あ」「い」「う」「え」「お」それぞれの発音のときの口の開きになるようゆっくり口を動かします。口を開けたら約5秒そのままキープしてください。簡単なエクササイズなのでぜひ続けてみてください。
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血行を促進する生活習慣
血行が悪くなると、肌の隅々に栄養が届かず、ターンオーバーも乱れがちに。その結果、肌体力が低下し、しわやたるみを引き起こしやすくなります。
入浴: シャワーだけで済ませず、38~40℃程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かりましょう。リラックスするだけでなく、深部体温が上がり、全身の血行が促進されます。
適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、日常生活に軽い運動を取り入れましょう。特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、全身の血流を促すポンプの役割を果たします。
内側から整えるインナーケア
肌は、私たちが食べたもので作られています。化粧品を使うこと以上に、日々の食事が肌の土台を作ります。
「抗酸化」を意識する
「酸化(サビ)」を防ぐため、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂りましょう。
- ビタミンC: パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツなど
- ビタミンE: ナッツ類、アボカド、かぼちゃなど
- ポリフェノール: 緑茶、カカオ、ベリー類など
「抗糖化」を意識する
「糖化(コゲ)」を防ぐため、血糖値の急上昇を抑える食べ方を意識しましょう。
- 野菜や海藻類(食物繊維)から先に食べる「ベジファースト」を実践する。
- 白米より玄米、うどんより蕎麦など、GI値の低い(血糖値が上がりにくい)炭水化物を選ぶ。
良質なタンパク質を摂る
肌のハリを支えるコラーゲンも、元はタンパク質です。
肉、魚、卵、大豆製品など、良質なタンパク質を毎食バランスよく摂り、肌の材料を補いましょう。
まとめ
しわやたるみの原因、予防や対策をご紹介しました。しわやたるみを助長しないためにも日ごろからのスキンケアが重要です。特別なことではなく、まずは毎日、きちんとケアを続けることを心がけましょう。
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