監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。
腸活で腸内環境改善! 腸内フローラを整えるための生活習慣をご紹介
腸の不調は、体にさまざまな影響を与えます。肌トラブルや冷え症、風邪をひきやすくなるなどの不調は、腸が関係しているとも言われているのです。
この記事では、腸内環境を整えたほうが良い理由、腸内環境の悪化が招くこと、腸活におすすめの栄養素についてご紹介します。肌アレに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
腸活とは、腸内環境を正常に保つための活動です。
ここ数年で健康や美容に対する意識は高まり、腸内環境の大切さが広く知られるようになりました。便秘や下痢、下っ腹の張り、おならが臭い、あらゆる肌トラブルにお困りの方々を中心に「腸活」が認知され、現在では一般的になりつつあります。
腸活の目的は腸内環境の正常化です。健康や美容のためにも、生活習慣などを見直す腸活を始めてみましょう。
腸には摂取した食べ物を消化・吸収する働きと、ウイルスや病原菌から体を守る免疫機能が備わっており、体の免疫細胞の約70%は腸にあると言われています。
腸には100種類以上、約100兆個の腸内フローラ(腸内細菌)があり、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つで構成されています。この3つの腸内フローラのバランスが良いと腸内環境が安定し、体の免疫機能が発達・向上するのです。
腸内フローラのバランスを整えるには、食生活の見直しをおこないましょう。
腸内環境の正常化には善玉菌・悪玉菌・日和見菌(中間の菌)の3つのバランスが保たれていなくてはなりません。腸内フローラのなかで一番数が多いのは日和見菌、次に善玉菌で、悪玉菌は少数が理想です。
腸内環境が正常なとき、腸内フローラのバランスは善玉菌が優勢となります。善玉菌は乳酸や酢酸をつくり、腸内環境を酸性に保ちます。腸の運動にも良い影響を与えており、外部からのウイルスの感染を抑止するほか、体に悪い影響を与える腐敗物が生成されることを防いでいるのです。
しかし、何かしらの理由で腸内環境が悪くなり悪玉菌の増殖が進むと、善玉菌と日和見菌が減り、体は不調をきたしてしまいます。
悪玉菌が増殖する原因はさまざまです。おもに偏食や食生活の乱れ、便秘、運動不足などがあげられます。とくに食生活は、腸内フローラのバランスを整えるために重要です。
腸に良い食生活のポイントは、「粘膜ケア」×「食物繊維」×「善玉菌を増やす」ことです。
善玉菌が多く、悪玉菌が少ない腸内環境に戻すためにも、腸の運動をサポートする栄養素を積極的に取り入れましょう。
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腸内環境を改善すると、体に大きなメリットがあります。以下からは、腸内環境を改善するメリットをご紹介します。
腸内環境を改善すると、ダイエット効果があると言われています。腸内に悪玉菌が増えると、便秘になりやすい状態に。しかし、腸内環境が整うと悪玉菌が減り、便秘が解消されます。さらに、むくみや血行も改善されるので、代謝がアップして脂肪を燃焼しやすくなり、痩せることが期待できるのです。
腸内環境は、免疫力と密接な関係にあります。腸には免疫細胞が全体の約70%集まっているため、腸内環境を改善すると免疫細胞が活発になり、免疫力のアップが期待できます。
腸内環境を改善すると、肌質改善が期待できます。腸内環境が悪化すると、悪玉菌によって腐敗産物のフェノール類がつくり出されます。フェノール類は腸管から吸収されて血液にのって皮膚に届き、肌の生まれ変わりを阻害。そして、肌アレやニキビなどの肌トラブルにつながってしまうのです。
腸内環境を改善することで、肌トラブルの原因となっていた悪玉菌が減らせます。よってフェノール類も減少するため、肌への負担を減らせるのです。
腸内環境が悪化すると、体には何かしらの不調が現れます。
たとえば、以下の3つがあげられます。
腸内環境の悪化は、腸の働きを低下させます。腸の働きが悪くなり、老廃物が体外へと排出できなくなると、腐敗や有毒ガスの発生を招くのです。
老廃物の腐敗や有毒ガスの発生がおこると、体は肌を通して老廃物を排出しようとします。そのため、肌の角質や皮脂と老廃物が結びつき、肌アレや吹き出物の原因となるのです。
腸内環境が悪くなるとウイルスや病原菌に対する免疫力が低下し、体調不良をおこしやすくなります。さらに劣悪化が進むと、腸管組織が炎症をおこすこともあるため、できるだけ早く腸内環境を改善する必要があるのです。
腸内環境が正常に機能しないと、便秘やガス溜まりによる腹部の張り、胃もたれなどの不快感をもたらします。自律神経が乱れる原因となり、イライラやストレスの蓄積から集中力が低下してしまうのです。
腸は自律神経の影響を受けやすい臓器なので、ストレスを受けるとさらに腸が正常に動かなくなることがあります。すると、便秘や下痢を引きおこしやすくなるのです。
ストレスは腸内環境を悪化させる原因となるため、腸内環境を改善する生活習慣とストレス対策を合わせておこないましょう。
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生活習慣や食生活が乱れていると、腸内環境は悪化しやすくなります。以下では、腸内環境を改善するべき方の特徴をご紹介します。
食生活が偏っている方は、腸内環境が悪化している可能性があります。
とくに「砂糖や人工甘味料など甘いものを取り過ぎる」「肉やレトルト・インスタント食品ばかり食べる」など偏った食事は、悪玉菌が増えて腸内環境を悪化させる原因となるため、注意が必要です。
運動をすると腸に適度な刺激を与え、ぜん動運動を促します。しかし、運動不足だと腸への刺激が少なくなり、全身の血流が悪くなるので、腸の働きが低下するのです。
睡眠時間が短いと腸内フローラが乱れ、腸の働きが低下すると言われています。
睡眠中は、副交感神経が優位になり、ぜん動運動が活発になります。しかし、睡眠不足になると交感神経が優位になり、腸内の働きが低下することで悪玉菌が増えるのです。
腸内環境を改善するためには、生活習慣を見直す必要があります。以下では、腸内環境を改善するための習慣についてご紹介します。
腸内環境を整えるには、食べ物や飲み物など食生活の改善が重要です。腸内フローラには、食事が大きな影響を与えています。偏った食生活を送っていると、悪玉菌が増えやすくなります。腸粘膜にうるおいを与える食べ物や食物繊維を意識的に食べることがおすすめです。
普段肉を食べる機会が多い方は頻度を減らし、代わりに豆類でタンパク質を摂る献立を取り入れてみてください。また、野菜やフルーツに含まれる食物繊維やビタミンは、腸内環境を整えます。あまり野菜やフルーツを食べない方は、腸内環境を改善するために、積極的に食べるようにしましょう。
腸内環境を改善するために、一度自分の食生活を見直してみてください。
運動不足の方は、運動やストレッチを習慣にすることをおすすめします。運動やストレッチをすることで、ぜん動運動が活発になり、腸の働きが良くなります。軽い動きでも腸に刺激は与えられるので、簡単な運動やストレッチを習慣にしましょう。
睡眠は、腸の働きと密接に関わっています。睡眠不足になると腸の働きが低下し、悪玉菌が増えます。慢性的な睡眠不足に陥ると、腸内フローラのバランスが乱れ、腸内環境が悪化しやすいのです。腸内環境を改善するために、毎日の睡眠時間をしっかり確保しておきましょう。
ストレスが溜まると消化機能が低下し、悪玉菌が増えやすくなります。またストレスは、睡眠不足や代謝の低下を招き、さらに腸内環境を悪化させてしまうのです。定期的にリラックスする時間をつくり、ストレス解消をすることで腸内環境を改善できるでしょう。
腸内環境の改善におすすめなのは、食物繊維・発酵食品・酪酸菌の3つです。
以下では、それぞれの特徴とおすすめの理由をご紹介します。
腸内環境の正常化には、善玉菌の増殖が必要不可欠です。そのためには、善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取しましょう。
現代人の多くは、食物繊維が足りていないと言われています。コンビニ弁当やファストフード、外食が多いと栄養が偏りがちです。不足しがちな栄養素をサプリメントで補う方法もありますが、おすすめは毎日の食事で食物繊維が多い食品を積極的に摂取することです。
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。前者は水に溶けやすく、後者は水に溶けない性質を持っており、善玉菌のエサになりやすいのは水溶性食物繊維です。
なお、善玉菌のエサという観点だと水溶性食物繊維が優勢ですが、不溶性食物繊維も腸内環境の正常化に役立つ栄養素です。体のことを考えるなら、どちらもバランス良く摂取することが望ましいと言えるでしょう。
栄養素 | 食物繊維を多く含む食品 |
---|---|
水溶性食物繊維 |
|
不溶性食物繊維 |
|
善玉菌のエサとなる栄養素を摂取することも大切ですが、善玉菌そのものを摂取し、補うことも腸内環境の正常化には重要なプロセスです。
善玉菌そのものが多く含まれているのは、味噌や漬物、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品です。発酵食品に含まれる善玉菌の種類は「乳酸菌」や「ビフィズス菌」で、悪玉菌の増殖を抑制する乳酸や酢酸を腸内で生成します。日常的に摂取し、腸の調子を整えましょう。
発酵食品には善玉菌が多く含まれますが、善玉菌の一つである「酪酸菌(らくさんきん)」を含む食品は、ぬか漬けや臭豆腐など数少ないです。食事から摂取するのは難しいため、サプリメントや整腸剤などで摂取することをおすすめします。
一般的に、酪酸菌の数は腸内フローラ全体の20%以下です。酪酸菌は、酪酸と呼ばれる短鎖脂肪酸を生成して悪玉菌の増殖を抑制します。酪酸は大腸の主要エネルギーの一つでもあるので、酪酸菌がいなければ腸は正常な働きを維持できなくなるでしょう。
食物繊維や発酵食品などを取り入れた食事と合わせて、サプリメントなどから効果的に摂取してください。
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腸内環境を改善するには、腸活がおすすめです。腸活は、体を健康に保ち美容効果も期待できます。
腸内環境が悪化すると、さまざまな不調を引きおこします。腸内環境の悪化は、生活習慣の乱れや偏った食生活により、悪玉菌が増えることが原因です。悪玉菌が増えると、腸内フローラのバランスが乱れ、腸の働きが低下します。
腸内環境を整えるには、生活習慣の見直しが必要です。食生活では、腸の粘膜にうるおいを与える食事や食物繊維、発酵食品を積極的に食べましょう。また、運動をしたり睡眠の質をあげたりするのも、腸内環境を整えるためには重要です。
生活習慣を整えて、善玉菌を増やして腸内環境を改善しましょう。
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監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。
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