監修:再春館製薬所
西村高子
2006年、再春館製薬所に入社。化粧品の効果評価試験、スキンケア研究に7年間従事した後、「ドモホルンリンクル」の商品開発の担当へ。お客様と同年代であり、二児の娘の母である視点と価値観を重視し、生涯ずっと安心して使い続けられる、効果実感の高い商品開発を目指し日々研究を重ねている。
目の周りは、顔のなかでもとりわけ皮膚が薄い部分です。頬の厚さがバスタオルだとすると、目元の皮膚はハンカチくらいの厚みしかありません。
皮膚が薄いため、ちょっとしたことでも刺激を受けやすく、とてもデリケートな部分なのです。
目の周りがくすむ原因は一つだけではありません。まずは目の周りがくすむ原因について詳しく解説していきましょう。
目の周りは、皮脂の分泌量が少なく乾燥しやすい部分です。肌が乾燥すると肌内部を護ろうとターンオーバーのスピードが早くなります。急速に作られた細胞は未熟なため、肌のうるおいを保つ保水機能が上手く機能しません。肌の水分量が減ると透明感が失われ、くすんだ印象を与えてしまうのです。
ターンオーバーが乱れると、角質肥厚(かくしつひこう)を引きおこします。角質肥厚とは、はがれ落ちるはずの角質が肌に残っている状態が続き、角質の厚みが増す状態のことです。角質は黒っぽい色をしているため、角質が厚くなると肌がくすんでしまいます。
紫外線を浴びると黒色メラニンが作り出されます。黒色メラニンは肌トラブルや病気を防ぐ物質ですが、過剰に生成されるとターンオーバーのサイクルを乱したり、シミやそばかすの原因になったりするのです。シミがあると肌に色むらができるのでくすんで見えてしまいます。
糖化とは、食事などから摂取した糖分(ブドウ糖などの還元糖)が体内でタンパク質と結合し、細胞にダメージを与える現象のことです。糖化によって生成される糖化タンパク質(糖化されたタンパク質)やAGEsは肌老化の原因になります。特にAGEsは皮膚の細胞に沈着するとシミやくすみを引きおこし、肌がくすんでしまうのです。
参考:黄ぐすみはなぜおきる?原因と対策、黄ぐすみをカバーするメイクをご紹介
血行不良になると、毛細血管が青緑色に目立ち血色が悪くなります。また、血行不良により肌に十分な栄養が行き届かず、老廃物が溜まることで肌がくすんで見えることもあります。
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目の下のくすみには3つのタイプがあります。
それぞれ発生する原因や対処方法が異なるため、タイプ別のケアが重要です。
青クマは目元の血行不良によって発生します。睡眠不足や眼精疲労によって血流が滞ると、毛細血管の青緑色が目立ち血色が悪く見えてしまうのです。
青クマを改善するには、目を休ませたり優しくマッサージしたりすると良いでしょう。
黒クマは加齢やコラーゲン不足による皮膚のたるみが原因です。目の下の皮膚がたるむと、影ができて黒っぽく見えてしまいます。
黒クマを改善するには、肌のハリを保つのに必要なコラーゲンや栄養素を効率的に摂ることが大切です。
茶クマは皮膚の色素沈着によって発生します。アイメイクや洗顔のときに生じる摩擦により色素沈着を引きおこしてしまうのです。他にもメイクを落としきれていないときにも色素沈着が発生します。
茶クマを改善するには、肌のターンオーバーを促すことが重要です。色素沈着してしまった皮膚でも、きちんとターンオーバーがされていれば新しい皮膚によってクマが薄くなっていきます。ビタミンCやミネラル、タンパク質を積極的に摂取してターンオーバーを促しましょう。
普段の生活で目元にどのくらい負担をかけているのか、以下の項目をチェックしてみましょう。
最近のアイメイク用品は、「落ちない」「よれない」「にじまない」と、どんどんハードになっています。
それだけに、しっかり落とそうとするあまりクレンジングで力を入れすぎると、目の周りに大きな負担がかかってしまうことも…。
一方で、きちんとメイクが落としきれていないのも、肌への負担の原因になります。
クレンジングのときは、ていねいに優しく、しっかりと落とすよう心がけましょう。
毎日のメイクで使用するチップやブラシは、肌に直接触れるもの。
清潔な状態を保つためにも、定期的に洗ったり交換したりしましょう。
まつげをビューラーでカールアップするときに、ぐいぐい力を入れたり、まぶたそのものを挟んで傷めたりすると、色素沈着の要因になります。
また、アイラインを引くときに、まぶたや目の下を引っ張りすぎると強い刺激を与えてしまうため、優しく触れるよう注意しましょう。
メイク以外でも、無意識のうちに目元に刺激を与えてしまうケースもあります。
普段から目をゴシゴシこする癖がある方は、できるだけ手を目元に持っていかないよう気を付けましょう。
目の周りや目元のくすみを予防するには、生活習慣を改善することが大切です。今日から始められるので、ぜひ取り入れてみてください。
紫外線によるダメージが蓄積すると、肌は早く回復しようとターンオーバーを早めようとします。するとターンオーバーのサイクルが乱れ、肌がくすんで見える原因になるのです。日頃から日焼け止めを塗って紫外線から肌を護りましょう。
脂質の多い食事は肌を酸化させ、肌老化の原因にもなります。
日頃から脂質や糖質の摂りすぎに注意し、ビタミンやミネラル、タンパク摂り質などの栄養素を摂り入れるようにしましょう。
肌のターンオーバーに欠かせないのが成長ホルモンです。
成長ホルモンは細胞分裂やタンパク質の合成を促す物質であり、血流とともに肌へ栄養を運ぶことでターンオーバーを促進させます。成長ホルモンが活発に分泌されるのは入眠後3時間のため、十分な睡眠が重要なのです。
スマートフォンやパソコンの使いすぎによって眼精疲労を引きおこすと、リンパ液の流れが悪くなり老廃物の代謝不良が生じます。また、血行不良をもたらすので適度に休息を取りましょう。
軽い運動を取り入れることで、代謝や血行改善効果が期待できます。
ウォーキングやストレッチなど簡単にできる運動を取り入れてみましょう。
目の周りの皮膚はとても薄く、少しの刺激でも肌に負担がかかってしまいます。特にクレンジングでは、メイクをしっかり落とそうとゴシゴシ擦ってしまう方も多いでしょう。
次はクレンジングタイプに適した正しいクレンジング方法について解説していきます。
まずは、コットンに500円玉大くらいのクレンジング剤を染み込ませ、1分ほど目元に置いてメイクを浮かせます。
そして、浮き上がったメイクをコットンに移すようなイメージで、優しく拭き取ります。
くれぐれも無理をせず、力ずくで取らないように注意しましょう。
さらに負担を軽減するなら、マスカラや目の際に引いたアイラインには、クレンジングを染み込ませた綿棒を使うのがおすすめです。
指の腹を使って、優しくていねいにメイクを浮き上がらせます。
このとき、マスカラのダマなどが肌に付着しないよう、落ちたアイメイクを必要以上に広げすぎないのがポイントです。
クレンジングと同様に、クレンジング後におこなう洗顔も重要です。
洗顔では、目元の古い角質層による汚れをしっかり洗い流しましょう。
目の周りを洗顔するポイントは2つです。
洗顔料は、しっかりと泡立ててキメを細かくするのがポイントです。
洗顔料を泡立てるときは、指先ではなく、指全体を使うと泡立ちやすくなります。
また、手の力を抜いて泡を大きく動かしてあげることで空気が入りやすくなり、キメ細かい泡が作れます。
洗顔料が泡立ったところで、いよいよ目元を洗いましょう。
洗顔のポイントは、手が直接顔目元に当たらないように、ゆっくり泡を転がすようにして洗ってあげることです。
クレンジング、洗顔に続いて、最後は保湿です。
きちんと保湿することで、乾燥によってくすんで見える肌にうるおいを与え、明るい印象へ導けます。
保湿のポイントは、お風呂上がりや洗顔の後にできるだけ早くおこなうことです。
目の周りの皮膚はとても薄く、他の部分に比べて非常に繊細です。
汗腺や皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、体調不良やストレスによる血行不良でトラブルを引きおこしやすい部分でもあります。
正しいクレンジングや洗顔とともに、毎日できる目元ケアも取り入れてみましょう。
目元のケアには、蒸しタオルで目元をふんわり温めるのがおすすめです。目の周りを温めることで血行を促進させ、体に本来備わっているめぐりの機能を引き出してあげましょう。
※やけどには注意してください
リラックスしながら当てると、ドライアイや眼精疲労にも効果的です。
肌に現れるさまざまな悩みの根本的な原因をご存じですか?
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監修:再春館製薬所
西村高子
2006年、再春館製薬所に入社。化粧品の効果評価試験、スキンケア研究に7年間従事した後、「ドモホルンリンクル」の商品開発の担当へ。お客様と同年代であり、二児の娘の母である視点と価値観を重視し、生涯ずっと安心して使い続けられる、効果実感の高い商品開発を目指し日々研究を重ねている。