監修:再春館製薬所
西村高子
2006年、再春館製薬所に入社。化粧品の効果評価試験、スキンケア研究に7年間従事した後、「ドモホルンリンクル」の商品開発の担当へ。お客様と同年代であり、二児の娘の母である視点と価値観を重視し、生涯ずっと安心して使い続けられる、効果実感の高い商品開発を目指し日々研究を重ねている。
「おでこや鼻は脂っぽいのに、頬は乾燥しがち」という方は混合肌かもしれません。
この記事では、混合肌のよくある悩みや特徴、正しいスキンケア方法などについてご紹介します。混合肌にお悩みの方や、混合肌かどうか分からず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
混合肌とは乾燥肌と脂性肌(オイリー肌)の両方の性質を持っている肌のこと。「テカテカしている脂っぽい部分と、乾燥しがちな部分が混在する肌」を指します。
しかし、混合肌は脂性肌との見分けがつけにくく、自分の肌質を正しく判断できないことも少なくありません。
以下のような悩みがあるという方は、混合肌の可能性があります。
選択された数:0個
混合肌(インナードライ)は、紫外線やホコリ、花粉などの外部刺激や、生活習慣の乱れ、睡眠不足、ストレスによる乾燥が原因です。乾燥により肌の「バリア機能」が低下すると、外部刺激から守ろうと、過剰に皮脂が分泌してしまうのです。
もしも肌の水分量が少なく、皮脂が多い部分とゴワついた部分が混在しているなら混合肌(インナードライ)の可能性が高いと言えます。自身の肌質を勘違いし、油分を余分に取り除いたり、乳液やクリームを使用せずスキンケアをおこなったりすると、肌の水分が少なくなって皮脂分泌を促進してしまいます。
隠れ混合肌(インナードライ)の方は意外と多いので、自身の肌質をきちんと把握しておくことが大切です。
乾燥肌とは、「肌の水分と皮脂が不足して、うるおいが失われた状態」を指します。肌は本来、「皮脂膜」という天然の保湿クリームのようなもので守られていますが、この皮脂膜が何らかの原因で減少すると、肌が水分を保持できず乾燥します。乾燥肌と混合肌は異なる肌質ですが、どちらもバリア機能が低下しているため、ニキビや肌荒れがおこりやすくなります。
乾燥肌については、以下の記事をご覧ください。
脂性肌(オイリー肌)は、水分と皮脂が過剰に分泌され、全体的に油っぽくなる肌のことです。
肌を皮脂によって守らなければならないほど、バリア機能が低下し、肌が無防備な状態になっているということです。
混合肌と脂性肌は共通した特徴があるので、違いを見極めるのが難しいかもしれません。両方の特徴やメカニズムを知って自分の肌質をしっかり理解してくださいね。
脂性肌については、以下の記事をご覧ください。
肌質は一生同じではなく、季節や年齢、ライフステージなどによって変化します。
10代では皮脂量が多くベタつきやテカリが気になりやすいですが、20代以降になると乾燥が気になり始めます。
年齢とともに水分や皮脂の分泌が減少するため、若いころは混合肌でも、年齢とともに乾燥肌になることがあります。
また、女性はホルモンバランスの影響も強く受けるため、妊娠や出産によって肌質が変化することも。毎月の生理周期によっても、肌の状態は変化します。
そして、肌質は季節や気候にも大きく左右されます。夏は発汗に伴って皮脂量も増えますが、冬は空気の乾燥からカサつき、小ジワなどが気になる季節になります。
このように肌の状態は、年齢・ホルモンバランス・外的刺激など、さまざまな影響を受けて揺らいでいます。その時々で自分の肌の状態をしっかり観察してあげることが大切です。
混合肌(インナードライ)のスキンケアでは「皮脂と水分のバランス」を重視するのが大切です。皮脂を取り除くことに重きを置きがちですが、混合肌の場合顔の部位によって皮脂量や水分量が異なるため、スキンケアのやり方には工夫が必要になります。
スキンケアの方法や注意点は、以下のとおりです。
混合肌の肌悩みを解決するにはまず、クレンジングや洗顔にこだわってみてください。
肌をきれいに保つには汚れをきちんと落とすことが大切ですが、洗浄力が高すぎるクレンジング剤や洗顔料を使うと肌に負担をかけてしまいます。また、必要な皮脂まで洗い流してしまうため、皮脂が過剰に分泌して肌の状態がより不安定になってしまいます。
洗浄力が高いものやスクラブ入りなどの刺激が強いものは避け、マイルドな洗顔料を選ぶようにしてください。最近では、洗顔でもシワに対する効能表現である「※効能評価試験済み」と表記された商品も見られるようになったので、そういった洗顔料を選ぶのも良いでしょう。
また、クレンジングや洗顔も、以下のポイントに気を付けながら行いましょう。
なお、洗浄力が高いクレンジング剤や洗顔料を使わなければ落ちない化粧品は、ポイントメイク落としをおすすめします。
保湿を控えたり、皮脂を余分に取ったりすると肌の乾燥が進み、皮脂分泌がより過剰になってしまいます。洗顔やあぶらとり紙などで皮脂を取っても、肌表面の皮脂量は2時間程度で元に戻ります。皮脂の過剰分泌を抑制し、かつ補給した水分を逃がさないことが大切なので、保湿を避けがちなTゾーンこそ乳液やクリームでしっかり保湿してください。
もしスキンケアの際に美容液を使うという方は、化粧水の後に使うことで、美容液の成分が肌へ行き渡りやすくなります。これは肌に水分が補われ、肌表面が整った状態になるためです。
当然ベタつきはありますが、優先すべきなのは不安定な肌の状態を整えることです。脂性肌と乾燥肌が混同している状態を整えるために、まずは最低でも1ヵ月間はケアを続けてみてください。
日々のスキンケアと合わせて、内側からの保湿にも力を入れてみてください。大切なのは水分補給と栄養です。肌の状態を変えるにはスキンケアが重要だと思いがちですが、口にするものは肌細胞の素を作り出す材料になります。
以下にポイントをまとめています。
肌本来の力を引き出すには、内側からの保湿にも着目したケアをおこなうことが大切です。
混合肌はTゾーンとUゾーンで肌悩みが異なるため、ベースメイクを工夫する必要があります。
Tゾーンは皮脂量が多く、テカリやファンデーションのヨレなど、メイク崩れが気になりますよね。一方Uゾーンは乾燥して小ジワが目立ったり、粉を吹いたりするという真逆の状態になってしまいます。
そこで混合肌の人は以下の点に気を付けてメイクを行ってみてください。
保湿成分と、化粧崩れ防止成分(シリコーンなど)が入った製品を選ぶ。
Tゾーン:皮脂吸着下地を使用する。
Uゾーン:保湿力の高い下地を使用する。
また、メイクの前にしっかりと保湿をおこなっておくことも重要です。混合肌は肌の内部が乾燥している状態なので、保湿をせずに慌ててメイクをしてしまうと、Tゾーンの皮脂分泌は盛んになり、Uゾーンの乾燥も促進。メイク成分が肌への刺激となって、状態がさらに悪化することもあります。
このように、メイクを工夫すると仕上がりや持ち、肌のすこやかさなどが断然変わります。混合肌のメイクは少々手間がかかりますが、ていねいにやっていきましょう。
混合肌は皮脂分泌が多く、ベタつきやすいTゾーンで毛穴が目立ちやすいと感じる方が多い傾向にあります。毛穴ケアをおこなううえで意識すべきことは「余分な皮脂や汚れを落としつつ、肌に必要なうるおいを維持すること」です。以下では具体的なケア方法を紹介します。
ポイント | 概要 | 対策方法 |
---|---|---|
過度な洗顔やクレンジングは避ける | 1日に何度も洗顔やクレンジングを行うと、必要な水分や油分を奪い、乾燥や皮脂の過剰分泌を引きおこします。 | できるだけ優しい洗顔料を使い、適切な保湿ケアを行う。 |
角栓を無理に押し出さない | 角栓を無理に押し出すと肌を傷つけ、炎症を引き起こす恐れがあり、毛穴詰まりや開き毛穴が悪化します。 | 無理に角栓を押し出さず、保湿ケアや洗顔を丁寧に行う。 |
毛穴パックの使用頻度に注意 | 毛穴パックの頻繁な使用は肌を乾燥させ、開き毛穴や肌のたるみを招くため、1週間に1回の使用が推奨されます。 | 毛穴パック使用後は化粧水やクリームで保湿ケアを行う。 |
この記事を読んでいる人におすすめの記事
混合肌の方は、化粧品選びも工夫してみてください。ここではとくに「化粧水」の選び方について詳しくお伝えしていきます。
ベタつきとカサつきの両方が気になるときには、次のようなポイントをチェックしながら自分に最適なものを選んでみてください。
ベタつきやテカリが気になる混合肌では、べタつきにくい化粧品を選ぶようにしましょう。とくに、化粧水ではベースとなる成分に次の成分を使用しているものがおすすめです。
これらは比較的ベタつきにくい成分なので、混合肌や脂性肌の方でも安心して使用できるでしょう。
スキンケアでは化粧水による水分補給をしたあとに、乳液でしっかり蓋をすることが大切です。このとき、乳液でベタつくのが気になる場合は、皮脂吸着成分や皮脂の分泌バランスを整える働きのあるものを使うと、さらに化粧品でのベタつきやテカリが抑えられます。
また、メイク用品と同じようにTゾーンとUゾーンで使用する化粧品を使い分けるのも良い方法です。Tゾーンにはさっぱりタイプの化粧品を使い、Uゾーンにはしっとりタイプのものを使うなど併用することで、顔全体の保湿バランスが整えられます。
混合肌では、肌のうるおいが不足して皮脂が過剰に分泌されていることもあります。そのため、保湿力の高い成分を積極的に取り入れて、肌のうるおいバランスを整えることから始めるのも良いでしょう。
たとえば、ヒアルロン酸やアミノ酸といった保湿力の高い成分が配合されているものを選んでみてください。
保湿力が高い=ベタつき・テカリの原因になるというわけではありません。高い保湿力を持つ、質の良い化粧品で顔全体をケアし続けていくことで、バランスの取れた肌に変化させることも可能です。
また、乾燥しやすいUゾーンはクリームやオイルなどを使って重点的に保湿することをすすめします。
肌にやさしい、低刺激のスキンケア製品を選ぶのも良いです。
混合肌は、外部からの刺激に対してとても敏感な状態になっています。肌のバランスが崩れていることからダメージに弱くなっているため、敏感肌用や植物由来のものを使用するのも良いでしょう。
ニキビや吹き出物が出やすい方や、乾燥かぶれなどの肌トラブルがおきやすい方は、とくに肌へのやさしさにこだわって選ぶことが大切です。
この記事を読んでいる人におすすめの記事
混合肌(インナードライ)は、「皮脂が多いのに乾燥している」という矛盾を抱えた肌です。
一見乾燥が気にならなくても、肌が乾燥している「混合肌(インナードライ)」に陥っている可能性もあります。皮脂を取り除くことに躍起になって保湿を怠ると、肌はますます乾燥し、皮脂分泌が過剰になってしまうため注意が必要です。
ケアを始めるのに遅すぎることはありません。
重要なことは、どれだけ継続できるかです。
クレンジングや洗顔に気を配ることはもちろん、化粧水や乳液、クリームを使って肌をやさしく労りましょう。
■ドモホルンリンクルのスキンケアアイテム
監修:再春館製薬所
西村高子
2006年、再春館製薬所に入社。化粧品の効果評価試験、スキンケア研究に7年間従事した後、「ドモホルンリンクル」の商品開発の担当へ。お客様と同年代であり、二児の娘の母である視点と価値観を重視し、生涯ずっと安心して使い続けられる、効果実感の高い商品開発を目指し日々研究を重ねている。
※コンテンツ内で扱っている商品情報は一部古い情報を含んでいる場合があります。