監修:再春館製薬所
伊藤安矢
大学院修了後、再春館製薬所に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、企画、研究に従事。研究開発員として一貫して年齢を重ねていく肌と向き合い続ける。最新の皮膚研究、肌老化研究を重ねながら、日々寄せられるお客様の声を商品に反映してきた。
毛穴は、皮膚を保護したり体温を調節したりするために重要な役割を担っています。毛穴からは皮脂が分泌され、それが汗と混ざることによって天然の保護クリームのような働きをします。この保護クリームは「皮脂膜」と呼ばれ、角質層の潤いを保ったり、皮膚に細菌が増殖するのを防いだりする働きをするのです。
また、寒いときや交感神経が優位になったときには毛穴を閉じ、体温が外に逃げるのを防ぐ体温調節の役割も担っています。
しかし、さまざまな原因により毛穴に皮脂が詰まったり、毛穴が開いたままになったりする「毛穴トラブル」に発展することも少なくありません。毛穴の開きやたるみ、黒ずみなどは年代を問わず、多くの人が感じる肌トラブルです。
また、毛穴トラブルには複数の種類があり、それぞれに特徴と原因が異なります。まずは自分の毛穴トラブルの原因を特定し、適切なケアを行ってすこやかで美しい肌を目指していきましょう。
毛穴トラブルの特徴についてお伝えする前に、理想の毛穴について確認しておきましょう。
理想の毛穴は下記の画像のように、肌表面のキメが整い、毛穴が清潔に保たれている状態。
しかし、生活習慣の乱れや間違ったスキンケア、加齢による肌そのものの力の衰えなど、さまざまな原因から毛穴にトラブルがおきてしまいます。
毛穴が詰まったり開いたりする主な原因は、皮脂の過剰分泌や加齢による肌のたるみです。
年齢や体質によっては、皮脂の分泌量が多く毛穴の入り口が大きく広げられてしまうことがあります。皮脂の過剰分泌は、毛穴が目立ちやすくなるだけでなくテカリやベタつき、ニキビなどさまざまな肌トラブルの原因に。
さらに年齢を重ねると、肌が重力に逆らえず下にさがります。すると毛穴も縦に伸びてしまい、開いて見えるようになるのです。加齢だけでなく、角質層の水分量が減り、肌の柔軟性がなくなることによっても毛穴はたるんで開いて見えるようになります。
また、毛穴トラブルには、大まかに「開き毛穴」「たるみ毛穴」「黒ずみ毛穴」「すり鉢状毛穴」の4つのタイプがあります。
毛穴が目立つと感じたときは、まずは毛穴がどんな状態かを鏡でチェックし、タイプを見極めましょう。
それではそれぞれの見極め方と原因をご紹介します。
開き毛穴は、毛穴に角栓が詰まって毛穴が押し広げられることで生じる毛穴トラブルのことです。角栓とは、毛穴の中の皮脂腺から分泌された皮脂と古い角質がまざったもの。
毛穴に白いものが詰まって目立っているのが特徴で、Tゾーンに多く見られます。
開き毛穴は、皮脂の分泌が異常な時に起こります。
そもそも、毛穴は皮脂の出口です。毛穴から分泌される皮脂には、汗とともに皮脂膜を作って肌を覆い、水分を閉じ込める重要な働きがあります。
しかし、皮脂を出すときに開き、不要なときはしっかり閉じるという"毛穴の開閉コントロール"ができないと、皮脂が出たままになり、開き毛穴の原因となってしまうのです。
たるみ毛穴は、本来円形であるはずの毛穴が、重力によって下がってしまうことにより生じる毛穴トラブルです。
皮膚が引っ張られ、だ円形になっているのが特徴。
このタイプは、肌を支える土台であるコラーゲンが減る、皮膚の筋力が少なくなるなど、加齢による肌自体のたるみが原因です。
涙のような形にも見えることから、"しずく毛穴"とも呼ばれています。
たるみ毛穴を見分けるには、鏡を見ながら頬に手のひらを添えて、皮膚を引っ張ってみてください。一時的に毛穴が目立たなくなったら、たるみ毛穴である可能性が高いです。
黒ずみ毛穴は、皮脂の過剰分泌が原因で生じる毛穴トラブル。
料理でも、油が古くなると黒っぽく酸化するのと同じです。
メラニンを含んだ古い角質が毛穴に詰まって、毛穴が黒ずんで見えることも…。
黒ずみ毛穴はTゾーンにできやすく、イチゴのようにポツポツと黒ずんでおり、触るとザラザラしているのが特徴です。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に詰まっている角栓の周りに汚れや余分な皮脂が付着し、酸化してしまいます。
これが、黒ずみ毛穴の原因です。
一般的に、皮脂は思春期から分泌量が増し、女性の場合、20代前半をピークに徐々に減少していきます。
そのため、黒ずみ毛穴は20代前半くらいまでの方に多く見られるタイプです。
すり鉢状毛穴は開き毛穴の一種で、毛穴の周りが肌荒れをおこすことにより、毛穴が目立って見える毛穴トラブルです。
すり鉢毛穴は、開閉するはずの毛穴が開いたままになるのが原因。角質肥厚によって肌が硬くなることで引き起こされます。角質肥厚とは、本来であれば自然に剥がれるはずの角質が肌に残り、積み重なって厚みを増してしまう状態です。肌表面が凸凹しているのが特徴で鼻や頬にも現れます。
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自分の毛穴タイプや正しい洗顔方法がわかったらトラブルへのケア方法をチェックしていきましょう。
毛穴ケアをするときに気をつけたいのが、トラブルの原因に合ったお手入れができているかどうかです。それぞれのタイプによってお手入れの仕方が異なるので、自分の毛穴トラブルのタイプに合わせたケア方法を取り入れてみてください。始めましょう。
開き毛穴のケアは、角栓の詰まりを解消することがポイントです。
ただし、角栓が詰まっているからといって、指で無理に押し出すのはよくありません。
肌にダメージを与え、毛穴の周囲に炎症を起こす可能性があります。
角栓は皮脂と角質が混ざり合ったものなので、クレンジングと洗顔で皮脂をゆっくり溶かしながら落としましょう。
洗顔後は、皮脂の過剰な分泌を防ぐためにも保湿をお忘れなく。
毛穴の黒ずみや開きには、皮脂の過剰分泌を抑えるために栄養バランスを整えることが大切です。
ファストフードやインスタント食品など、栄養バランスが偏りがちな食品を多く摂取すると、皮脂の過剰分泌に繋がることもあります。
理想的な栄養バランスについては、厚生労働省と農林水産省の合同で策定された「食事バランスガイド」を参考にしましょう。
食事バランスガイドでは、食事を5つに分類した上で、コマの上から順番に食べる量の目安を示しています。
※食事バランスガイドは、健康な方々の健康づくりを目的に作られたものです。糖尿病、高血圧などの病院で医師又は管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってください。
今までの食生活をいっきに変えることは難しいかもしれませんが、少しずつ理想的な栄養バランスを摂れるように意識してくださいね。
また、以下のような食材は皮脂の過剰分泌を抑えるのに効果的なので、日頃の食事に摂り入れるのがおすすめです。
皮脂の過剰分泌防止に効果的な食材
成分 | ビタミンC | ビタミンB2 | ビタミンB6 |
---|---|---|---|
効果 | 皮脂の分泌量を低下させる | 脂質の代謝を促進する | 肝臓の機能を維持して脂肪を適切に分解する |
主な 食材 |
イチゴ、ほうれん草、ブロッコリー、カリフラワー、柿 | 納豆、レバー、うなぎ、サバ、アーモンド | 牛乳、豆腐、バナナ、サケ、卵、カツオ、さつまいも |
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加齢による肌のたるみが原因で毛穴が開いている場合は、元の状態に戻すのがなかなか難しいこともあります。このタイプには、肌のハリを維持するスキンケアが不可欠です。
化粧水でしっかりと水分補給をしてキメをふっくらとさせれば、毛穴がキュッと引きしまって目立たなくなります。
たるみ防止効果のある食材
成分 | ビタミンC | タンパク質 | ビタミンE |
---|---|---|---|
効果 | コラーゲンを作り、肌にハリを与える | 肌の新陳代謝をスムーズにして、老化を防ぐ | コラーゲン分解につながる活性酸素を除去、血行を促進する |
主な 食材 |
柿、キウイフルーツ、イチゴ、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、さつまいも | チーズ、大豆、鶏肉(手羽先)、卵、イワシ、豆腐、牛乳 | 玄米、ピーナッツ、ニラ、かぼちゃ、ニンジン、ほうれん草 |
黒ずみ毛穴には、黒ずみの原因である汚れや余分な皮脂を落とすことが大切です。
まずはクレンジングと洗顔をきっちりと行い、正しく保湿しましょう。
すり鉢状毛穴のケアは、ターンオーバーの乱れを正常にして、新陳代謝を上げることが大切です。
新陳代謝を上げるためには、正しい肌のお手入れはもちろん、栄養バランスのとれた食事や質の良い睡眠、適度な運動を心がけましょう。
また、「すり鉢状毛穴」は汚れがたまりやすく、炎症を起こしやすいので、クレンジングと洗顔をしっかりと行って汚れを落としましょう。
「すり鉢状毛穴」対策用の化粧水もあるので、スキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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4つの毛穴トラブルの種類とケア方法についてお伝えしました。
しかし、毛穴一つ一つの症状を判断して的確な対処をするのは、なかなか難しいもの。
そこで、とくに毛穴トラブルが起こりやすい「鼻」と「頬」のケア方法についてお伝えします。
鼻は皮脂の分泌が多く、もともと毛穴が目立ちやすいゾーン。
開き毛穴や、黒ずみ毛穴、そしてすり鉢状毛穴ができやすい部分です。
鼻の毛穴トラブルを予防するには、毛穴の汚れを溜めないこと、鼻の皮脂の酸化を防いであげることの2つに注意しましょう。
毛穴に汚れを溜めないためには、クレンジングで余分な皮脂やメイクをしっかりと落とすことがポイント。
そして皮脂の酸化を防ぐには、肌の水分と油分のバランスを適切に保つスキンケアを意識しましょう。紫外線にあたると皮脂が酸化しやすくなるため、日焼け止めをきちんと塗って肌ダメージを防ぐことが大切です。
頬も毛穴の数が多いため、たるみ毛穴やすり鉢状毛穴のトラブルがおきやすい部分です。
その中でも、たるみ毛穴のような老化が原因でおこる毛穴トラブルは基本的に避けることはできません。
しかし、頬の毛穴トラブルは加齢だけでなく、皮脂や乾燥が原因でも起こります。
皮脂や乾燥が原因で起きる毛穴トラブルには、スキンケアでしっかり保湿を行いましょう。
毛穴の詰まりや開きが気になると、ついつい自己流で間違ったケアをしてしまいがちです。自分で毛穴の状態を悪化させていることもあるかもしれません。ここでは、これだけは避けたいNG毛穴ケアを3つ紹介します。
毛穴の皮脂や汚れの詰まりを、指で押し出すことは絶対にやめましょう。なかには、毛穴の角栓を押し出す器具や爪などを使って無理やり押し出してしまうケースもあります。
角栓を無理やり押し出す行為は、毛穴とその周りの皮膚を傷つけ、場合によっては炎症を引き起こす場合もあります。強い刺激を与えることで皮脂の過剰分泌が悪化することも考えられますので、決してやらないようにしましょう。
角栓を取り除きたい場合は、泥や炭などの皮脂吸着効果のあるパックや洗顔料を使うなどのスペシャルケアを取り入れてみてください。
クレンジングや洗顔のやりすぎにも注意してください。何度も擦って洗ったり、念入りに長い時間洗顔したりしても、そのぶん毛穴の皮脂や汚れがよく落ちるというわけではありません。1日に何度も洗顔するのもNGです。
クレンジングや洗顔のやりすぎは、肌に必要な皮脂まで奪ってしまうことになるので、角質層が乾燥します。角質層が乾燥すると皮脂の過剰分泌を招くおそれがあるため、悪循環に陥りかねません。
毛穴を気にして過剰にクレンジングや洗顔をしている場合、その行為が毛穴トラブルを悪化させる一因となっているかもしれません。自己流のケアは避け、基本のクレンジングや洗顔方法をしっかり守りましょう。
毛穴トラブルの少ない、しなやかな肌を目指すための基本となるのが、毎日のスキンケアです。
しかし、間違ったスキンケアは毛穴トラブルの原因になります。
この機会にふだんの毛穴ケアが正しいかどうかを○×クイズでチェックしてみましょう!
Q.1 蒸しタオルを乗せると毛穴が開く
A.1 ○
毛穴は皮膚温度の上昇に伴って開きます。
洗顔前に蒸しタオルをすると、蒸気と熱で毛穴が開くので、溜まった汚れや皮脂が取り除きやすくなります。
また、蒸しタオルの熱で皮膚温度が高くなり、その後のケアの浸透速度が早まって効果的です。
やけどに注意しながら取り出し、タオルを広げて軽く冷ましてから顔に乗せましょう。
Q.2 冷水や冷やした化粧水をつけると、毛穴が引き締まる
A.2 ○
毛穴は外気の温度で開いたり閉じたりするので、冷水や冷やした化粧水をつけると、確かに毛穴は引き締まります。
しかし、あくまで一時的なもので、それ自体は毛穴ケアにはなりません。
むしろ、冷やしすぎるとその反動で肌は血行を良くして温めようとするので、余計に毛穴が開いてしまうことがあります。
毛穴を引き締めようと冷蔵庫で冷やした化粧水を使ったり、冷たい水で顔を洗ったりするのはオススメできません。
さらに、冷水での洗顔は汚れが十分に落ちない可能性も。体温よりやや低いぬるま湯で洗いましょう。
Q.3 鼻にある毛穴の黒ずみを取るためには、ゴシゴシ洗うべき
A.3 ×
毛穴の黒ずみの原因は、大まかに2種類です。
毛穴に詰まっている角栓の周りに付着した汚れや余分な皮脂が酸化して黒く見えている場合と、日焼けや刺激によってメラニンが生成されて黒ずんでいる場合です。
酸化が原因でも日焼けが原因でもゴシゴシ洗うのはNGです。
正常な肌のターンオーバーを促すためにも、刺激を与えないように洗顔料をしっかりと泡立ててやさしく洗いましょう。
Q.4 角栓が気になったら角栓除去シートを毎日使ったほうがいい
A.4 ×
角栓除去シートは、毛穴に詰まった角栓や汚れとともに、肌表面の角質や油分、水分を必要以上に取り除いてしまいます。
肌へ負担がかかるので、使いすぎには気をつけましょう。
あなたは何問正解できましたか?
もし間違った思い込みでケアをしていた方は、この機会にお手入れ方法を見直してみてくださいね。
毛穴ケアのポイントについてお伝えしてきました。
毛穴ケアで重要なことは、一時的、表面的な処置をするのではなく、常日頃から肌に潤いを与え、肌そのものの力を活かすスキンケアを行うことです。
汚れをためないように心がけて、さらに、しっかり保湿することが大切!
ドモホルンリンクルの「化粧落としジェル」と「洗顔石鹸」は、毛穴に詰まった皮脂汚れや古い角質をさっぱり洗い上げながらも、必要なうるおいを奪いません。
きちんと洗って、基本4点でしっかりうるおわせれば、皮脂の過剰な分泌が鎮まって、黒ずみも汚れも気にならなくなります。
また、基本4点でしっかりうるおいを与えることで、乾燥による皮脂の過剰分泌が抑えられ、黒ずみや汚れが気になりづらくなります。
ドモホルンリンクルは、肌体力を育むスキンケアに着目し、今の肌悩みへ対処するだけでなく、そもそも悩みが生まれない肌づくりを目指しています。 だから、季節や肌質を問わずお使いいただけ、日々のスキンケアで「ゆるぎにくい肌」を叶えていきます。
まずは約3日分の無料お試しセットでご自分の肌に合うかどうか確かめてみてください。
監修:再春館製薬所
伊藤安矢
大学院修了後、再春館製薬所に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、企画、研究に従事。研究開発員として一貫して年齢を重ねていく肌と向き合い続ける。最新の皮膚研究、肌老化研究を重ねながら、日々寄せられるお客様の声を商品に反映してきた。