
ぽつぽつと白く、または赤く盛り上がった肌は、肌本来の美しさを損ねる原因になります。また、膿をともなうニキビは触ると痛みを感じることもあり、心身ともにつらく感じてしまうでしょう。
そんなニキビですが、思春期特有の症状ではなく、大人になってからもできます。ただし、思春期ニキビと大人ニキビでは発生原因が異なるため、お肌の調子を取り戻すためにも原因を知り、適切に対処することが大切です。
そこで、大人ニキビの特徴と原因、すぐに実践できる5つの対策方法をご紹介します。大人ニキビにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事では、10代でできるニキビを「思春期ニキビ」、年齢を重ねてからできるニキビを「大人ニキビ」としています。
大人ニキビとは
10代でできる思春期ニキビとは違い、大人ニキビは年齢を重ねてからできるニキビを指します。
一般的に、思春期ニキビは成長期特有のホルモンバランスの乱れによって引きおこされるのです。おでこやTゾーンなどの皮脂分泌が多い部位にできやすく、生理的な症状なので大体3〜4年でなくなります。
一方、大人ニキビは生活習慣の乱れや乾燥、ストレスや疲れなど発生原因がさまざまです。よくあるお悩みとしては、以下が挙げられます。
- 頬やあご、鼻などにできやすい
- 生理前になると、あご周辺に大人ニキビができる
- 乾燥と大人ニキビの跡が気になる
- 口の周辺に大人ニキビができやすい
- 疲れを感じると、大人ニキビができていることがある
- あごやフェイスラインだけでなく、首にもニキビができるようになった
- 大人ニキビの跡が気になるから、お肌をきれいにしたい
大人ニキビは発生原因がライフスタイルに起因していることも多いため、症状を繰り返す方も頻繁に見られます。原因を解消しなければ治るどころか悪化の一途をたどってしまうので、早期に対処することが重要です。
ニキビのおもな種類について
ニキビの種類は、その状態により分かれます。ニキビの種類を状態に応じて確認していきましょう。
白ニキビ
毛穴に汚れや皮脂、角質が詰まってしまう初期のニキビです。見た目は、白いポツンとした小さな点のような状態で、見逃してしまうような小さなものもあります。たいていの場合、痛みやかゆみを感じることはありません。
黒ニキビ
黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開き、空気に触れ酸化した皮脂などによって黒っぽく見えるニキビです。皮脂の分泌が多いことや、メイク汚れが毛穴に残ることがおもな原因です。
赤ニキビ
赤ニキビは、白ニキビが悪化し、アクネ菌が増え炎症をおこした状態のニキビです。細菌の感染による炎症が赤く見えることで、赤ニキビと呼ばれています。
黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化し、炎症が激しくなった状態のことを言います。黄色い膿が見えることから黄ニキビと呼ばれています。炎症をおこしている所に雑菌が入って化膿した状態ですが、さらに重症化すると、ニキビ跡やシミができてしまう恐れがあるのです。
ニキビの悪化を防ぐためには、白ニキビの段階で早めに正しいケアをすることが大切です。ニキビができてしまっても、とにかく悪化させないように対応しましょう。
大人ニキビができる流れを知ろう
ニキビの発生には、「皮脂の過剰分泌」→「毛穴のつまり(角化異常)」→「アクネ菌の増殖」の要素が関わっています。大人ニキビの発生にもこの要素が大きく関わります。
大人ニキビの発生原因はライフスタイルに起因していると良く言われますが、どういったときに、この3つの要素が発生してしまうのでしょうか。
皮脂の過剰分泌
皮脂の分泌量は気温が上昇したときなどに増えますが、糖分や脂肪分の多い食生活などでも増えてしまうことがあります。増えた皮脂が毛穴に詰まることで、ニキビができやすい状態になります。
毛穴のつまり(角化異常)
肌の一番外側にある角層部分が、厚くなることを角化異常と言います。厚くなった角層が皮脂の出口の毛穴をふさいでしまうと、皮脂や肌の老廃物が詰まり、ニキビが発生してしまうのです。
生活習慣の乱れや、肌の乾燥、紫外線などの刺激で肌のターンオーバーが乱れると、角化異常がおこりやすくなります。
アクネ菌の増殖
皮膚表面や毛穴の中には、さまざまな細菌(常在菌)が存在しています。アクネ菌もその一種です。普段は肌を護る働きをしていますが、皮脂の過剰分泌や角化異常などで毛穴が詰まり、皮脂などの栄養が多い環境になると過剰に増殖してしまいます。その結果、炎症を引きおこし、赤ニキビを発生させてしまいます。
大人ニキビができる6つの原因
ニキビは、皮膚の常在菌である「アクネ菌」の働きが活発化することで発生します。アクネ菌が活発化する原因はさまざまで、おもに以下の点があげられます。
- 皮脂の過剰分泌
- ホルモンバランスの乱れ
- 食生活の乱れ
- 生活習慣の乱れ
- ストレスや疲れ
- 大気中の汚れ
皮脂の過剰分泌
皮脂が過剰に分泌されると、アクネ菌の働きが活発になります。これにより肌トラブルの原因となる遊離脂肪酸※1が多く産生されてしまうため、ニキビが発生しやすくなるのです。夏は冬の2倍ほど皮脂分泌量が増えるため、ケアを怠らないようにしましょう。
※1:遊離脂肪酸(FFA:free fatty acid)。脂肪細胞内にある中性脂肪が分解されて血液中に放出されたもの。
ホルモンバランスの乱れ
皮脂分泌は男性ホルモンによってコントロールされており、男性ホルモンが優勢になると皮脂分泌が過剰になり、ニキビができやすくなると言われています。
女性の場合、月経前や更年期後※2は女性ホルモンが減るため、ホルモンバランスが乱れがち。大人ニキビの発生や悪化を防ぐためにも、スキンケアなどを徹底することが大切です。
※2:閉経前後の期間を指し、一般的に45~55歳が更年期にあたるとされている。
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食生活の乱れ
不規則な食生活はホルモンバランスの乱れを招くほか、肌が生まれ変わるリズムも崩してしまいます。古い角質が排出されず、厚くなって毛穴をふさぐため、大人ニキビができやすくなるのです。
おせんべいやピーナッツ、甘いもの、アルコール、脂質が多いものは皮脂分泌を増やすため、肌荒れが気になるなら控えたほうが賢明です。また、辛い食べ物は刺激が強く、赤ニキビを悪化させてしまう恐れがあります。このほか、カフェインはビタミンB・Cを破壊するため、コーヒーや紅茶の飲み過ぎには注意しましょう。
生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れると、肌に多大なダメージを与えます。たとえば、睡眠不足や疲労、誤った洗顔やスキンケア、胃腸の不調などは、大人ニキビの発生を顕著にします。ほかにも、メイクをしたまま就寝したり、クレンジングの際メイクが落とし切れていなかったり、頬杖をついたりすることで大人ニキビの発生を促すことがあるのです。
また、おでこや頬に触れる髪の毛にも要注意です。髪についている汚れやホコリがニキビを悪化させるアクネ菌の栄養源になると言われています。加えて、シャンプーや整髪料のすすぎ残しもアクネ菌の栄養源になってしまうので炎症につながることがあるので気を付けましょう。
ストレスや疲れ
ストレスや疲れを感じると、ホルモンバランスが乱れて皮脂分泌が過剰になります。また、肌のバリア機能の低下を招くため、肌が敏感になり、さまざまな肌トラブルにつながってしまうのです。
ストレスや疲れを溜めないために、入浴で心身をリラックスさせたり、睡眠の質を向上させたりしましょう。
大気中の汚れ
チリやホコリ、排気ガス、タバコの煙などの大気中の汚れが皮膚に付着すると、皮脂と混ざって毛穴をふさぎます。また、大気中の汚れによって肌が刺激されると、活性酸素(フリーラジカル)が過剰に産生され、さまざまな肌トラブルの原因となるのです。
加えて、一年中エアコンがきいたオフィスに長時間いるだけでも、肌が乾燥しやすくなります。乾燥した状態が続くと、肌を外的刺激から護っていたバリア機能も低下するため、肌は自らを護ろうとますます角層を厚くし、毛穴がさらにつまりやすくなります。
大人ニキビの発生を防ぐには、大気中の汚れから肌を護ることはもちろん、活性酸素を過剰に産生させないことが重要です。ビタミンC・Eなどの抗酸化物質を含む食品などを摂取するほか、禁煙や節煙をしたり、アルコールを控えたり、運動をしたりと、活性酸素を減らすよう生活習慣を見直しましょう。
大人ニキビの原因は、ここで紹介した6つの原因が、単独ではなく重なり合って大人ニキビの発生を促してしまうことがあります。
また、このほかにも意外に知られていないのが、鼻のニキビです。
花粉症や風邪のときに鼻をかむ回数が増え、必要以上に鼻の皮脂を拭きとってしまうため、鼻のニキビができやすくなります。こういった症状があるときには体調が不安定な状態になっていることが多いため、肌のトラブルも発生しやすくなりますので注意が必要です。
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大人ニキビの5つの対策方法

大人ニキビを防ぐには、不規則な生活習慣、睡眠不足、食生活の乱れ、過労、ストレス、肌の乾燥などにアプローチすることが大切です。以下の対策方法を実践し、大人ニキビの予防や改善を目指しましょう。
①質の良い睡眠をとる
大人ニキビの予防・改善には、質の良い睡眠をとることが大切です。肌は夜寝ている間に修復・再生されます。しかし、起床時間や就寝時間がバラバラだと生活リズムの乱れから体内時計が狂い、成長ホルモンの分泌に影響を与えてしまうのです。
質の良い睡眠をとるには、体を温めるのが効果的です。そのため、就寝前に入浴するなどして体を温める習慣をつけましょう。なお、ぬるま湯は副交感神経の働きを優位にし、心身をリラックスさせると言われているため、入浴時はお湯の温度を38〜40度ほどに設定すると良いでしょう。
②適度な運動をする
肌のバリア機能を維持し、大人ニキビの発生を防ぐにはターンオーバーの正常化が肝心です。運動は代謝を上げ、肌のターンオーバーを促すのでおすすめです。日ごろから運動をし、汗を流す習慣をつけましょう。
忙しく継続して運動する時間が取れないという場合は、軽く息が上がる程度の運動を最低でも週1回はおこなうようにしましょう。ウォーキングするだけでも良い効果をもたらすので、通勤時に一駅分歩く、徒歩で買い物に行くなど、日常のなかに運動を取り入れてみてください。
③栄養バランスの取れた食事を心掛ける
栄養バランスを考えた食事は、すこやかな体づくりに役立ちます。
肌がもつ本来の輝きを保つことにもつながるため、肉や魚、野菜などをバランス良く食べましょう。特定の食べ物と大人ニキビの関連性は明確になっていませんが、ビタミンは大人ニキビの予防・改善に役立つと言われているため、積極的に摂取することをおすすめします。
理想的な栄養バランスを知りたいという方は、厚生労働省と農林水産省によって策定された「食事バランスガイド」を参考にするのも良いでしょう。「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」のグループに区分し、何を、どれだけ食べたらいいかを分かりやすくイラストでまとめています。
食生活をがらっと変えるのはむずかしいですが、バランス良く栄養を摂取するためにも、できる範囲で始めてみてください。
④スキンケアの見直し
ニキビの原因である皮脂を洗い流そうと、ゴシゴシ洗顔している方はいませんか?
ゴシゴシ洗顔で擦って刺激を与えてしまうと必要以上に皮脂が失われます。皮脂が失われると、より皮脂分泌が過剰になり、ニキビができやすくなってしまいます。
クレンジングと洗顔でしっかりと毛穴に残ったメイク汚れや皮脂汚れを落とすことは大切ですが、やさしくていねいにが鉄則です。クレンジングは、指先を使ってやさしくていねいになじませましょう。洗顔では、やさしくたっぷりの泡で肌を包み込むように洗い、ぬるま湯で洗い流しましょう。また、ぬるま湯の温度は35度前後がベストです。
刺激を与えない、やさしくていねいな洗顔を心がけてみましょう。
また洗顔後は、化粧水や乳液で水分と油分をバランスよく補い、肌のバリア機能をキープすることを心がけましょう。
⑤ストレスを溜めない
ストレスには、紫外線などの外的ストレスや、食事や睡眠などの生活習慣から来る内的ストレスのほか、日々の生活のなかで生じる心理的、社会的なストレスなどがあります。日々ストレスを感じずに生活することは難しいですが、少しでもストレスを溜めないように過ごすことは大切です。
ストレスは適度な運動や、入浴、質の良い睡眠などで、やわらぎます。アロマオイルを焚きながらのんびりするのも心が軽くなるのでおすすめです。また、夏場はエアコンのきいた部屋で手足が冷えていると血の巡りが滞り代謝が低下してしまい、肌の細部にまで栄養がめぐらずに、健康な肌をつくりにくくなっています。自分にあったストレスを緩和する方法を見つけて、ストレスを溜めない生活を目指しましょう。
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大人ニキビにとってNGなこと

大人ニキビは一日も早く解決したいところですが、焦ってしまうあまり、やってはいけない対処法でニキビを悪化させたり、跡が残ったりすることがあります。大人ニキビを悪化させないためにやってはいけないことをまとめました。
大人ニキビをつぶさない
大人ニキビができたときに絶対にやってはいけないことの最重要ポイントは、自分でニキビをつぶすことです。
つぶして中の膿を出してしまえば解決しそうと、つぶしがちですが、たとえ膿を押し出したとしても、皮脂が残っていれば炎症は治まりません。
また、手や指についている菌が入り込んでニキビが悪化する可能性もありますし、何よりも力ずくでつぶしたことにより、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。指で触ることでニキビの悪化につながることもあります。気になってもなるべく触らないように気をつけましょう。
紫外線対策を忘れない
紫外線対策は日焼け予防のためだけでなく、ニキビの予防ケアとしても重要です。ニキビが紫外線を浴びることによって、悪化するだけでなくシミになって残ってしまう場合もあります。日焼け止めを塗ることは大切ですが、洗顔のときにしっかりと落とさないと毛穴を詰まらせてしまい、さらなるニキビができてしまうので注意が必要です。
大人ニキビではない似た症状をご紹介
大人ニキビとよく似ている症状や病気としては、次のようなものがあります。
病名 | 症状 |
---|---|
おでき | 黄色ブドウ球菌が原因で毛包とその周囲で炎症をおこして化膿したもの。 |
毛のう炎 | 毛包に菌が入り込んで炎症をおこす感染症。頭皮にできることもある。 |
マラセチア毛包炎 | マラセチア菌が毛包のなかで増殖し炎症をおこしたもの。 |
粉瘤 | 顔面や頸部によく生じる皮膚の良性腫瘍の一つ。強く押すと悪臭を伴う物質が出ることがある。 |
稗粒腫 | 目のまわりによく見られる、白いブツブツしたできもの。俗に「脂肪の固まり」と考えられることが多いが、内容はケラチンである。 |
頭皮湿疹 | 頭皮にできる脂漏性皮膚炎。赤みのある皮疹ができ、かゆみが強かったり、整髪料やシャンプーがしみたりする。かさぶたになることが多い。 |
口唇ヘルペス | 口の周囲に軽い痛みを伴う水ぶくれが発生する。 |
水ぼうそう | 水痘帯状疱疹ウイルスが原因でおこる感染症。かゆみのある発疹や水疱ができる。 |
毛孔性苔癬 | 毛穴の角質異常の一つ。毛穴周囲に古い角質層が溜まって毛穴をふさぐことで、小さなブツブツが広範囲にできる。二の腕や背中などに多く見られる。 |
慢性膿皮症 | 細菌が皮膚に侵入しておこる難治性の病気。見た目は赤くブツブツで、膿溜まりを作ることもある。頭部やわき、臀部に現れやすい。 |
大人ニキビの対策に乗り出そう
大人ニキビの発生原因はさまざまなので、まずは自分のニキビの原因を知ることが大切です。そのうえで適切なスキンケアを施したり、生活習慣を見直したりと、対策方法を試してみましょう。大人ニキビの予防・改善、悪化を防ぐためにも、ぜひ上記を参考にしてみてください。
ドモホルンリンクルは季節や肌質を問わずに、お使いいただけます。

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