肌アレや乾燥、敏感な状態など、多くの肌トラブルは「肌バリア機能の低下」が関係しています。化粧水が染みる、保湿してもうるおいが続かない、肌がかゆい。そんな悩みを抱えているなら、目に見えない肌へのダメージがあるかもしれません。スキンケアを見直しても改善しない場合、表面的なケアだけでは不十分な可能性があるのです。
本記事では、肌バリア機能の仕組みから低下する原因、そしてすこやかな肌へ導くためのスキンケアと生活習慣までを解説します。
すこやかな肌に欠かせない「肌バリア機能」とは?
肌バリア機能は、なぜ必要なのでしょうか。ここでは、肌バリア機能の仕組みと3つの要素について解説します。
肌バリア機能とは?
肌バリア機能とは、肌の表面にある角質層に備わっている「肌を保護する機能」のことです。この機能には2つの働きがあります。第一に、乾燥や大気中の微粒子などの外部刺激から肌を守ること。第二に、肌内部の水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保つことです。
角質層がすこやかな状態であれば肌は守られていますが、水分が減少するとバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすくなって肌トラブルの引き金になってしまうのです。
3つの肌バリア機能とは?
肌にはもともと、うるおいを保つ3つのバリア機能が備わっています。それは「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質(セラミド)」の3つです。
皮脂膜は皮膚表面を覆う天然の「ふた」の役割を担い、水分の蒸発を防いでいます。天然保湿因子(NMF)は角層細胞の中で「スポンジ」のように水分をキープする働きがあります。そして細胞間脂質(セラミド)は角層細胞同士の隙間を埋める「セメント」として、水分を挟み込んで逃さないようにしているのです。このうち細胞間脂質の約50%を占めるのがセラミドで、バリア機能の要といえます。
この3つの要素はどれか1つでも欠けると肌のバリア機能が損なわれてしまうため、バランス良く整えることが大切です。
肌バリア機能が低下するのはなぜ?
肌バリア機能は外的な要因と内的な要因で低下します。ここでは、両面からバリア機能が低下するメカニズムを解説します。
外的な要因と内的な要因
肌バリア機能が低下する外的・内的な要因は以下のようなことが考えられる。
| 外的な要因 |
内的な要因 |
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- ターンオーバーの乱れ
- 肌の天然保湿因子が少ない
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
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バリア機能が崩れたときにおこりやすい肌トラブル
肌バリア機能が低下すると、少しの刺激や摩擦で赤みやかゆみを生じたり、肌がヒリヒリしたりする肌トラブルが慢性化します。ターンオーバーも遅れるため、余分な角質が残り、吹き出物やシミ、シワにつながることもあるのです。
とくに敏感肌と乾燥肌の方はバリア機能が弱くなりがちです。適切なケアを怠れば乾燥性皮膚炎やアトピー性皮膚炎に発展する可能性もあり、早めの対処が必要です。
自分の肌と向き合ってバリア機能の低下を示す「肌サイン」を見逃さないで!
肌トラブルをおこさないようにするには、バリア機能を低下させないことが重要であることが分かりました。そのためには自分の肌と向き合って、素早くトラブルの原因を見つけ対応することが大事です。
トラブルになりやすいおもな肌サインは以下のとおりです。
- 化粧水や乳液などが浸透しにくい
- 保湿ケアをしてもうるおいが感じられない
- スキンケア製品が染みる
- 肌がかゆい
- 肌の赤み
- 肌が硬くざらついている
- 日中のテカリや皮脂崩れが気になる
- 毛穴の開きや角栓が気になる
- ニキビや吹き出物がある
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一つでも気になることがあれば、肌バリア機能を整えるケアを急ぎましょう。
肌バリア機能を整えるためのスキンケア方法
肌バリア機能が崩れてしまったときは、できるだけ早くすこやかな状態へ導くことが重要です。「清潔」「保湿」「紫外線対策」を基本に、肌バリア機能を整えるスキンケア方法を解説します。
クレンジング・洗顔で皮膚を清潔にする
バリア機能が低下した状態で異物が肌に付着すると、肌トラブルにつながる恐れがあります。洗顔で肌を清潔に保つことが大切です。
ただしメイクや汚れをしっかり落とそうとすると、肌に必要なものまで奪ってしまいます。洗浄力の強いクレンジング剤やゴシゴシ洗顔は皮脂膜やセラミドなどの細胞間脂質まで奪い取ってしまいます。濃いメイクでない場合はマイルドなミルクやジェルタイプを選び、泡を転がすように優しく洗って35度前後のぬるま湯ですすぎましょう。
しっかり保湿して皮膚の乾燥を予防する
肌バリア機能を高めるためには、水分と油分のバランスが整った状態をキープしましょう。ただ水分を与えるだけでなく、バリア機能の「材料」を補う保湿が重要です。セラミド配合の化粧品で「セメント」のようにうるおいを補い、スクワランやホホバ油など皮脂に近い成分で天然バリアをサポートしましょう。
バリア機能が低下しているときはアルコール、合成香料、刺激の強い防腐剤を避け、塗布する際も手のひらで優しく包み込むようにおこないましょう。
「紫外線対策」は一年中重要!
紫外線は肌にダメージを与え、バリア機能を低下させる原因となります。紫外線を浴びると活性酸素が発生し、肌の乾燥やシワ、シミにつながります。
とくに、肌の奥深くに到達しコラーゲンの変性を引き起こす原因ともなるUVAは雲や窓ガラスも通過し、一年中降り注いでいます。季節や天候にかかわらず、毎日の紫外線対策が不可欠です。日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、できることから取り入れていきましょう。
肌バリア機能を高めるためには体の内面からのケアも重要!
肌バリア機能を高めるには、スキンケアだけでなく体の内面からのケアも大切です。ここからは、生活習慣と食事からのアプローチの方法を見ていきましょう。
肌バリア機能を高めるための「生活習慣」とは?
スキンケアをきちんとしていても、間違った生活習慣を続けていると肌バリア機能の崩れにつながってしまうことがあります。肌バリア機能を高めるための生活習慣を実践しましょう。
肌バリア機能をサポートする食べ物
肌バリア機能を高めるために重要な役割がある保湿因子は、それぞれ独自の役割を担っています。日々の食事から適切な栄養素を摂取し、保湿因子の生成を助けることは、肌の保水力を高め、結果として肌バリア機能を健やかに維持することにつながるでしょう。
大切なのはスキンケアと生活習慣、両面からのケア
肌バリア機能は、皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の3つの要素がバランス良く整うことで正常に働きます。乾燥や紫外線、間違ったスキンケアなどでバリアが崩れると、染みる・かゆいといった肌サインが現れます。
バリア機能を整えるには、汚れを落としつつうるおいを守る洗顔、セラミドなどバリアの材料を補う保湿、そして未来の肌を守る紫外線対策の3つが基本です。さらに睡眠や食事といった生活習慣を見直すことで、体の内側からもバリア機能をサポートできます。
毎日のスキンケアと生活習慣の両面からケアを続けて、すこやかな肌を目指しましょう。
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監修者 大賀勇人からのコメント
トラブルになりやすいおもな肌サインとしては、化粧水や乳液が浸透しにくい、保湿してもうるおいが感じられない、スキンケア製品が染みる、肌がかゆい、肌の赤み、肌が硬くざらついている、テカリや皮脂崩れが気になる、毛穴の開きや角栓が気になる、ニキビや吹き出物があるといったものが挙げられます。
たとえば、スキンケア製品や水が「染みる」、あるいは肌が「かゆい」と感じるのは、肌の防御壁(バリア機能)が壊れているサインです。正常な肌では角層が盾となり、外部からの刺激をブロックして肌の奥を守っています。しかし乾燥や間違った洗顔でバリア機能が壊れると、普段は刺激にならないスキンケア製品の成分が神経のある細胞に直接触れ、「染みる」という痛みとして脳に伝わります。「かゆい」と感じるのは、バリアを突破したホコリやアレルゲンに肌が炎症反応をおこし、ヒスタミンなどが皮膚の神経を刺激するためです。
つまり「染みる」「かゆい」は、肌が発する「刺激を与えないで」という悲鳴です。一つでも気になれば、優しくバリア機能を整えるケアに切り替えましょう。