今吉裕隆
いまよし・ゆたか
再春館製薬所 研究開発部
大学時代に環境毒性について学んだ後、2007年に再春館製薬所に入社。その後はずっと研究開発部に所属。商品の研究から企画、時にはお客様対応まで幅広い業務に携わる。
「お肌の悩みへのアプローチは、流行では変わりません」
化粧品売場やドラッグストアなどの店頭から、インターネット通販まで、毎年多くのコスメ商品が販売され、雑誌やSNSでは関連情報で溢れています。そして化粧品にはその時々のトレンドがあり、生活者に飽きられた商品はひっそりと市場から姿を消す、なんてことが繰り返されてきました。
一方、ドモホルンリンクルは、1974年の誕生以来、度重なるバージョンアップで進化を遂げながら、お肌本来の力を引き出す年齢肌のための基礎化粧品としてその地位を確立してきました。
ドモホルンリンクルはなぜ、ドモホルンリンクであり続けられるのか。どうして流行りのコスメのように、姿を消すことはないのか。研究開発の最前線で活躍する今吉裕隆に話を聞きました。
今吉裕隆
いまよし・ゆたか
再春館製薬所 研究開発部
大学時代に環境毒性について学んだ後、2007年に再春館製薬所に入社。その後はずっと研究開発部に所属。商品の研究から企画、時にはお客様対応まで幅広い業務に携わる。
―― 化粧品売場に並んでいる商品やコスメ専門雑誌などを見ると、毎年、季節ごとに、新成分や特定の悩みへの働きかけをアピールしているコスメがたくさん出ていて、「自分にはどれが合うんだろう」と目移りしてしまうほどです。でも、ドモホルンリンクルって、そういう「流行り」を追っていない印象があります。
今吉:50年近くブランド名も変わっていませんし、そのような印象を持たれるのは当然かもしれませんね。ただ、私たちも決して流行を気にしていないわけではありませんよ(笑)。一般の基礎化粧品とはそもそものアプローチの仕方が違うので、「流行りがない」ように見えているのだと思います。
―― アプローチの仕方が違う、とは具体的にはどういうことでしょうか?
今吉:一般的には、常に"流行"を意識しながら新商品を出すメーカーも多いと思います。もちろんそれは、マスマーケティングやリサーチを通じて導き出されたものなので、その時の「共通のお悩み事」にマッチした商品になっているのが普通です。だからこそ、新商品が出ると「まさに、自分が抱える悩みを解決してくれるコスメだわ」と思い、選んでしまう。
―― ものすごく思い当たるフシがあります!
今吉:ですよね。それもいいと思うんです。だって、そのお客様の「そのとき」のお悩みにピンポイントにマッチする化粧品があったら、それを選びたいのは自然のことですし、メーカー側もそうしたご要望に応えた商品をつくるのだって当たり前のこと。ただ、昔はお肌の悩みといえばシミ・シワくらいだったと思いますが、最近ではくすみ、たるみ、肌荒れ、毛穴の開き、乾燥肌、脂性肌、混合肌、年齢肌まで、すごく多様化していると思いませんか?
―― たしかに…。そうやってトレンドの中で「悩み」がフォーカスされると、以前は気にならなかったことまで、自分の悩みになってしまいます。
今吉:そしてそれをピンポイントで追い続けるとキリがありません。「ここが気になるからこの化粧品を」「今度はあそこを隠すためにこれを」となりがちではないでしょうか。
―― 痛いほどわかります。
今吉:もちろん、その都度、お悩みを解決してくれる化粧品の存在はありがたいものです。ただドモホルンリンクルは「そのとき」だけではなく、ずっと使っていただける化粧品でありたいと思っています。だからこそ何か特定の悩みを直接改善するというよりも、その悩みの"上流"を分析しているのです。原因をさかのぼっていくと、人が本来持つ自己回復力を高めることが本質である、という答えに行き着きます。私たちのアプローチが独特なのは、お悩みの根本原因に対して直接働きかけることに着目しているからなのです。
今吉:ドモホルンリンクルは、環境や年齢に応じてお悩みが変わったとしても、"さまざまなお悩みの上流にある大元"に働き続けるので、ずっと使っていただけるのです。ですから、定番であり続けられていると思っています。
定番化粧品というと、変わらないもの、と思われるかもしれませんが、ドモホルンリンクルは細かなニーズに合わせてバージョンアップしています。例えば、ロングセラーの「クリーム20」は2022年3月時点で20代目です。
―― そんなに刷新されていたとは知りませんでした。
今吉:ご存じない方はすごく驚かれますね(笑)。実はかなり進化しているんですよ。私たちはそのために日々、研究開発をしていますから。なおバージョンアップする際に、参考にするのは流行ではなく「お客様の直接の声」です。
―― お客様の声、ではなく「お客様の"直接"の声」ですね。不特定多数のユーザーの声ではなく、ダイレクトな意見を参考にしているわけですね。
今吉:その通りです。店頭で市販している化粧品メーカーは先ほども申した通り、マーケティング情報やアンケートデータを購入して、それを参考にニーズを掘り起こして、商品に落とし込むといった方法が多いようです。その方法も、幅広い情報からトレンドを拾える強みがあります。ただ個別のお客様の"本当のお悩み"までは見えてこないこともあるかと思います。
一方でドモホルンリンクルは、通販のみのダイレクト販売のため、どんなお客様がどういうお悩みを持たれているのか、その姿がしっかり分かっています。お電話やメールでのご相談もさることながら、私のような研究員がお客様に直接お会いしてご意見をお聞きすることもあるんです。
―― え、そんなことまでしてるんですか?メーカーの研究開発の方って、ラボに閉じこもっているイメージだったので、お客様に直接会われたりするのは驚きです!
今吉:実際に作り手である研究員が直に声をお聞きすることで、ドモホルンリンクルを今どのように使われているのか、どんな悩みがあるのかも分かり、より細かなニーズに沿った化粧品作りに生かせます。私たちには、"深いコミュニケーション"ができるお客様がたくさんいらっしゃいます。そうしたお客様との対話や繋がり、信頼関係、これは私たちの強みであり財産だと思っています。
―― ダイレクトマーケティングだからこその濃密な関係構築ですね。
今吉:お客様と深く繋がっているからこそ、商品開発に決して妥協はできませんし、「お客様を裏切りたくない、嘘をつきたくない、もっと喜んでほしい」という気持ちが一層、高まります。自分たちで言うのもなんですが、このようなことをしている化粧品メーカーは、世界中探しても他にはあまりないんじゃいでしょうか。それくらい「特別なこと」を「当たり前」にしている自負はあります。
お肌に現れるさまざまな悩みの根本的な原因をご存じですか?それはお肌本来に備わるすこやかになろうとする力が低下していること。原因は一つだから解決法もただ一つです。それぞれの悩みにではなく、「準備」から「基本」までのワンラインで段階的に働きかけていきます。
もちろんお肌は、思わぬトラブルに見舞われることがあります。そんなときは、いつでも私たちにご相談ください。あなたのお肌にあった解決方法を一緒に考えさせていただきます。あなたの大切なお肌に、私たちはこれからも寄り添ってまいります。