「お勝手口」図書室

弊社会長・西川通子が、ひとりの女性としての胸の内を綴ったコラムです。
家事の合間にお勝手口で、お馴染みのご近所と、ちょっと立ち話、世間話。
そんな気楽な気持ちでお読みください。

平成31年 1月号

五冊目

あけましておめでとうございます。

お世話になるばかりの皆様へのご挨拶に、本年も…とお願いの言葉をつづけるのは、念押しをするようで品がないかも…。ふとそう思い、よそうかとも思っていたのですが、いざ書きだすと生来のくどさが顔を出し、書かずにいられぬ気がつのって仕方ありません。こらえて溜め込んだウップンを、新年早々周りにまき散らすのも、いまさらですが年甲斐がないと思い定めて、行を改め書かせていただきます。

本年も再春館製薬所を、ドモホルンリンクルを、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

「つむぎ」にお越しの際は、おついでの気持ちで、こちらにもぜひお立ち寄りくださいませ。時間つぶしにも足りぬほどのお喋りしかできませんが、それでも皆様の気が、ほんの少し晴れたり和んだりするよう心掛けてまいります。

さて、時間つぶしにも足りぬ…と言ったばかりの口で申し上げるのはなんですが。ここしばらくのお勝手口をまとめた本が出来上がりました。なんと、これで五冊目とか。書き始めたのは二十数年前。よくもまあ長々と、とるに足らぬ無駄話をしつづけてきたものと、あきれるような想いばかりがいたしております。

振り返って、なにをどう書きつけてきたかは、ほとんど思い出せないのですが。一つ、書き始めたときの気持ちだけは忘れることなく、今もそのまま、この胸に残っております。

今も一世一代の傑作と信じて疑わぬドモホルンリンクルを、同じ気持ちで愛してくださるお客様のことを、とても他人とは思えませんでした。この想いだけでも、なんたる無礼とお叱りを受けて当たり前なのですが、あつかましさの極みはここから。

上に座するお客様には、きちんと裃を着た言葉でお話するが筋。そう心得てはいながら、どうしても気さくにお話がしたい、あわよくば「いいものをつくってくれたわね、ありがとう!」とおほめをいただきたいという想い抑えきれず。どうすれば…と思案したあげく思いついたのが、懐かしいお勝手口で、奥様方や御用聞きの人がしていた世間話にかこつければ、多少はひざをくずしても…。

思い返しても、なんたる浅知恵と恥じ入るばかり。けれども、お客様のそばへ寄りたい一心に免じていただけたのか、今日までこうして、戯れ言を言うように書きつけるのをお許しいただいていることを、口にはせねど心ひそかに、有り難き幸せと感じております。

まだ書くのか、いつまで書くのか。そう聞かれれば、気の向くままに、気の済むまではなどと、たわけた返事しか思いつきませんが。願わくば、勝手な口の利き様をこらえて、消え去る気配なき気まぐれ婆のお喋りに、今しばらくお付き合いいただければ、それにまさる喜びはございません。

西川通子

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